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2005年03月27日(日) 09時11分

三菱ふそう、ウソ“卒業”できず…隠ぺい再発読売新聞

 三菱ふそうトラック・バスを舞台にした「欠陥隠し」発覚から1年が過ぎた——。

 同社は、すでに再発防止策を国土交通省に提出。3月末には弁護士による社内調査を公表し、晴れて問題企業を“卒業”の見込みだった。

 ところが、25日に新たな欠陥隠しが発覚し、国交省の怒りが再燃。過去の「ウミ」を出し切れないまま、三菱ふそうはいまだ、長く暗いトンネルから抜け出せないままだ。

 「これで留年は確実。再発防止の誓いは何だったのか」。国交省幹部が吐き捨てるように語るのは、再生を誓ったはずの三菱ふそうの体質が、実はまったく変わっていなかったからだ。

 問題となった大型トラックのサスペンション部品欠陥は、昨年9月のリコール(回収、無償交換)届け出後も車両火災などの事故・不具合が25件発生していたが、三菱ふそうは、国交省に事故の多発を伏せ、ユーザーへの注意喚起すら行っていなかった。

 三菱ふそうでは、「原因究明はしており、結果的に対策が遅れただけ」と弁明するが、この言い分は欠陥を隠し対策を怠り、最終的に死者を出したクラッチ部品欠陥、車軸部品前輪ハブ欠陥の際と全く同じだった。

 過去の一連の欠陥隠しで、三菱ふそうが事故件数を大幅に間引きしたことについて、国交省は再調査を指示していた。ところが、25日に会見した三菱ふそう幹部は、「調べたがわからなかった」と繰り返した。過去のヤミ改修の実態も調査対象だったが、「今となってはわからない」と語るばかりだ。

 こうした姿勢は、系列販売店に対しても同じだった。欠陥が原因で起きた事故・不具合について、販売店が本社に報告する「商品情報連絡書(PQR)」には、過去20年近くにわたって、顧客からの激しい抗議に困り果てた販売店の、悲鳴に近い言葉が残されている。

 「人身事故につながりかねない」「対策が遅れるほど販売店を窮地に陥れる」

 三菱ふそうではこうしたPQRの内容を、「会社からリコール対策費欲しさに大げさに書く」とまともに取り合ってこなかった。

 欠陥隠しの再発で、国交省の担当部局には今や無力感すら漂っている。再び死傷者が出るような重大事故が起きれば、国の監督責任が問われかねず、ある幹部は、「結局、1年かけてわかったことは、『やはりダメだった』ということだけ」と疲れ切った様子で語った。
(読売新聞) - 3月27日9時11分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050327-00000002-yom-soci