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2005年03月26日(土) 10時28分

航空券詐欺で逮捕のJTB元社員、異例の拘置取り消し読売新聞

 格安航空券の取引をでっち上げて1億8500万円をだまし取ったとして、大阪地検特捜部が詐欺容疑で逮捕した大手旅行会社JTB元社員・斧山平人被告(43)について、大阪地裁が弁護人の準抗告を認め、拘置を取り消していたことが25日、わかった。

 特捜部の事件で、拘置が認められないのは極めて異例。斧山被告は、航空券をめぐる別の詐欺罪で起訴され、公判中に保釈されていた。公判では無罪を主張して争っており、弁護人は「公判中の詐欺事件で無罪の可能性が高まったことによる逮捕で、不当」と批判している。

 今月16日の地裁決定などによると、特捜部は2003年1月、別の被害者から同様の手口で約3億8000万円を詐取したとして斧山被告を逮捕した。

 公判で、斧山被告は「金を借りていただけ」などと無罪を主張。公判中の04年3月に保釈され、今月3日に判決の予定だったが、新たな証人尋問があったため延期され、その後の9日に特捜部が斧山被告を逮捕。翌10日に拘置請求が認められた。

 このため斧山被告側は、拘置に対する準抗告を申し立て、「特捜部は前回の起訴の際、今回の事件の捜査も終えて起訴を断念していた。新たな証拠が見つかった形跡もないのに逮捕したのは不当」などと主張した。

 小川育央裁判長は、決定で「罪を犯したことを疑う理由はある」と述べたが、最初の起訴状に「追起訴予定」と記載されていたことなどから「検察官は当時、今回の事件の追起訴を視野に証拠を収集し、被害者から詳細な供述を得るなど捜査を進めていた」とし、これまでの証拠を利用した任意捜査は可能と判断した。

 さらに「被告は保釈後も公判に欠かさず出廷していて逃亡を疑う理由はなく、罪証隠滅の具体的な恐れがあるとも言えず、拘置の必要性はない」と、特捜部の拘置請求を却下した。

 斧山被告は釈放されたが、任意の取り調べに対し、黙秘しているという。

 地検幹部は「逮捕、拘置は法的に問題はない。裁判所の判断に納得できない部分は残るが、(決定に)従って捜査する」と話した。
(読売新聞) - 3月26日10時28分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050326-00000501-yom-soci