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2005年03月13日(日) 09時04分

<介護保険>利用者情報、ずさん管理の業者急増毎日新聞

 介護保険サービス業者がお年寄りの個人情報を利用する際、「本人の同意が必要」などと省令で定められているが、この「秘密保持」条項を守らない事業所が急増していることが厚生労働省の調査で分かった。介護保険のサービスは訪問介護など16業種ある。03年度にはこのうち14業種で10%以上の事業所が同条項を守っていなかった。20%を超えるのも5業種あった。4月に施行される個人情報保護法は第三者への個人データ提供などには本人の同意が必要としており、厚労省は同法に抵触する恐れがあるとして、条項厳守を徹底するよう指導に乗り出す。
 業者に対する調査(指導)は、都道府県などが16業種別に2〜3年に1回実施している。03年度は全国で3万9841事業所を対象に行った。
 お年寄りが介護保険のサービスを利用する際には持病や健康状態、家族の状況などが調べられる。プライバシーが漏れると悪質商法などに悪用される恐れもあるため、同省は省令で秘密保持条項を設けた。▽業務上知り得た利用者や家族の秘密を漏らしてはならない▽秘密を漏らさないように必要な措置を講じなければならない▽サービス担当者会議などで、利用者の個人情報を用いる場合は利用者の同意をあらかじめ文書により得ておかなければならない——が同条項の内容だ。
 03年度に同条項が守られていないとして「是正改善」の指摘を受けたのは計6446事業所に上った。業種別に見ると、福祉用具貸与事業所が最も多くて29.4%。居宅療養管理指導事業所(24.4%)、痴呆対応型共同生活介護事業所(23.0%)、訪問介護事業所(20.8%)、通所介護事業所(20.8%)が続く。最も少ない短期入所療養介護事業所でも8.2%に上った。
 介護保険制度が始まった00年度は、是正改善の指摘が10%を超えたのは8業種、20%以上は1業種だけだった。01年度は10%以上が13業種、20%以上が1業種。02年度は13業種・4業種と年々増加している。
 厚労省介護保険指導室は「口頭で同意を得ているとして、書面での同意を取っていない事業所が多いようだ。新規参入が多いのも一因。秘密保持の徹底を指導していきたい」と話している。【玉木達也】
 ◇関心低い個人情報
 ▼介護保険に詳しい伊藤周平・鹿児島大法科大学院教授(社会保障法)の話
 要介護者に認知(痴呆)症の人が多いこともあり、個人情報の利用について、本人の同意がなおざりになりやすい環境がある。家族もサービスさえしてもらえればいいと、個人情報にまで関心が向きにくい。個人情報保護法の全面施行をきっかけに、介護保険は本来は対等な契約であることを事業者は再認識し、個人情報の取り扱いを慎重にすべきだ。
(毎日新聞) - 3月13日9時4分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050313-00000010-mai-soci