悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年03月02日(水) 16時25分

多重債務者融資詐欺:「暴力団員に上納」、中心人物の男を起訴 /埼玉毎日新聞

 多重債務者から融資手数料の名目で現金をだまし取っていたとして、男女8人が逮捕された事件で、さいたま地検は1日、中心人物とみられる住所不定、無職、飯田英一容疑者(21)を詐欺罪で起訴した。飯田被告らは「上納金として毎月、200万〜300万円を暴力団員を名乗る男に上げていた」などと供述しているという。最終的な被害総額は数億円に上る見込みで、県警捜査2課などは事件の全容解明に向け、グループの背後関係などを調べている。【弘田恭子】
 起訴状などによると、飯田被告は吉井達紀被告(22)=同罪で既に起訴=らと共謀して、多重債務者の名前が入ったあて名シールを名簿業者から1枚数十円で購入し、融資する意思がないのに、「お客様に80万円まで即日融資いたします」などと印刷したダイレクトメールを送付。04年10月22日ごろ、さいたま市緑区のアパートで、電話をかけてきた熊本県の男性(当時44歳)に「ブラック(リスト)寸前ですね。(融資)手数料5万2000円を先に振り込んでください」などと持ち掛け、計約20万円をだまし取るなどした。
 ◇会社組織装いダイレクトメール、「社員」にノルマや残業も
 県警捜査2課と蕨署のこれまでの調べで、詐欺グループは会社組織を装っていたことが分かっている。グループを「会社」、飯田被告を「社長」、吉井被告を「部長」と呼び、その下に「セルフ」「パートナー」などと名付けた複数の「店」を置いていた。各店には実行役の「店長」と3〜6人の「社員」を配置。捜査を警戒して、数日から1カ月で店を川口や蕨、さいたま市などのマンション、ビジネスホテルに移していたという。
 グループは「セルフ」などの金融業者を装って精巧にダイレクトメールを作り、「社員」は丁寧な口調で勧誘▽家族構成、収入、会社を聞き出す▽「ブラック寸前ですよね」と持ち掛ける——など、電話対応も統一するように教え込まれた。
 また、店の“営業時間”を午前9時から午後4時までとし、100万円をだまし取った時点で吉井被告が現金を回収。現金をだまし取れなかった日は「社員」に残業を課したという。1日3000枚のダイレクトメール発送のノルマもあった。
 飯田被告らはカラオケ大会を開くなどして「社員の慰安」も行ったが、グループを抜けようとしたメンバーは「家族がどうなってもいいのか」などと脅されたという。ある捜査員は「逮捕されてホッとしたような顔をする者もいた」と話す。
 03年ごろからは、店ごとに毎月約2000万円をだまし取っていたとみられ、同課などは現在までに42道府県で420件(計約2500万円)の被害を確認している。警察庁によると、融資保証金を装った詐欺事件の認知件数は04年、全国で5692件、被害総額は約38億円に上っている。

3月2日朝刊
(毎日新聞) - 3月2日16時25分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050302-00000128-mailo-l11