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2005年03月02日(水) 18時20分

IE代替ブラウザーも攻撃の対象に?WIRED

 スパイウェアや、ポップアップ広告などのユーザーのウェブ閲覧を妨害するような広告を遮断したい場合、セキュリティー専門家たちによる一般的なアドバイスは長い間、まずは米マイクロソフト社の『Internet Explorer』(IE:インターネット・エクスプローラ)から他のブラウザーへ乗り換えなさいというものだった。

 ところが、多くのユーザーがこの助言に従ってモジラ財団の『 http://www.mozilla.org/ Firefox』(ファイアーフォックス)といった代替ブラウザーに乗り換えた現在、スパイウェアやアドウェアの作者も同じ動きに出てきている。

 フィルタリング・ソフトウェアのメーカーによると、IEを避けようとする人が増えるにつれ、主要なIE代替ブラウザーを使うユーザーたちが、閲覧を妨害する広告やスパイウェアに遭遇するケースも増加するだろうという。

 スパイウェアやポップアップ広告を遮断するソフトウェアを手がける http://www.intermute.com/ 米インターミュート社の脅威調査責任者、アンソニー・アロット氏はこう話す。「依然として、モジラの弱点よりも、IEの弱点から侵入するスパイウェアのほうが断然多い。ただし状況は変化しつつある」

 現時点で、スパイウェア作者が大勢の http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20041115302.html Firefox(日本語版記事)ユーザーをまんまと狙い撃ちにするような事態には至っていない。だがアロット氏によると、スパイウェア作者は今、モジラにより大きな関心を示している。理由は、単にユーザー数が増えたためだ。数年前、IEがブラウザー界でもっと優勢だったときには、悪質なアプリケーションの作者にとって、IEのライバルを標的にする強い動機は生まれなかった。しかし現在、モジラの影響力は十分に高まっており、スパイウェア作者はそこにやりがいを見出しているのだ。

 「IEを狙うスパイウェアが非常に多く存在し、他のブラウザーについてはそうでないといっても、IEのほうがセキュリティー上の固有の問題を多く抱えているからではなく、IEを使うユーザーがあまりにも多いからだ」と、アロット氏は指摘する。他のブラウザーがいっそう支持を得れば、スパイウェアを操る者もそれに追従するだろう。

 アロット氏の予想では、スパイウェア作者が新たにモジラに興味を抱いたおかげで、これから半年後ぐらいには、コンピューター・セキュリティーのガイドの中で、侵入を防ぐ手段としてIEからの乗り換えが推奨されることはなくなるだろうという。

 代替ブラウザーのユーザーが不満を抱くのは、スパイウェアについてだけではないだろう。

 悪名高いポップアップやポップアンダー広告もまた、遮断ソフトウェアをかいくぐって侵入してくるだろう。広告遮断ソフトウェアを開発する http://www.panicware.com/ 米パニックウェア社のマティーナ・フレセニアス最高経営責任者(CEO)は、従来のプログラムの大多数がIEを想定して作られているために、そうした事態になるのだと指摘する。

 「広告送信者が代替ブラウザーの広告遮断プログラムをかいくぐる方法を見つけ出そうとしていることが本当の原因なのか、疑問に思っている。私は、ほとんどの遮断プログラムが代替ブラウザーをサポートしていないことに原因があると考えている」と、フレセニアスCEOは話す。パニックウェア社は先週、IEのほか、モジラや『Opera』(オペラ)、『Netscape Navigator』(ネットスケープ・ナビゲーター)といった代替ブラウザーにも対応するよう設計されたポップアップ遮断ソフトウェアをリリースした。

 マック・ユーザーもまた、ポップアップなどの広告の増加に悩まされつつある。マック専門のトラブルシューティングサイト『 http://www.macfixit.com/ マック・フィックス・イット』の上級編集者、ベン・ウィルソン氏によると、とりわけ過去数ヵ月で、迷惑なポップアップやポップアンダー広告についてマック・ユーザーから寄せられる報告が急増したという。

 PCユーザーと比較すると、概してマック・ユーザーが影響を被る迷惑なポップアップやポップアンダー広告の数は少ないとウィルソン氏は話す。これは『マックOS X』のアーキテクチャーにおけるセキュリティー機能と、マックのマーケットシェアが小さいことの双方に起因すると考えられるという。

 とはいえ、従来の遮断システムを突破できる能力を公然と誇示する広告配信会社もいくつかあり、マック・ユーザーは一部の広告会社の攻撃的な戦術の影響を被りつつあるとウィルソン氏は指摘する。

 ある広告会社のウェブサイト『 http://www.popuptraffic.com/ ポップアップトラフィック・コム』には、「ポップアップ・ブロッカーの急増に伴い、ブロッカーが検知された場合はレイヤー広告が配信されるよう、ポップアップのコードを変更しました」と書かれている。ウィルソン氏によると、ユーザーがあるウェブページを閲覧している最中に広告がバックグラウンドでロードされ、ユーザーが他のURLに飛ぼうとしたときに突然それが表示されるというテクニックを使う会社もあるという。最初に表示させたポップアップが「あまりにも早く」閉じられた場合に、別のポップアップをねじ込むところもある。

 しかし、たいていの場合マック・ユーザーは、『 http://www.versiontracker.com/dyn/moreinfo/macosx/18158 ピスヘルメット』などの遮断ツールをインストールすることで、ポップアップやポップアンダー広告の煩わしさを防げるとウィルソン氏は話す。

 一部のユーザーにとって、ポップアップやポップアンダー広告がいよいよ厄介な存在になる可能性はあるものの、インターネットのトラフィックに関する大まかなデータを見る限り、それらの数は実際には減少している。インターネット市場調査を行なう米ニールセン・ネットレイティングスによると、遮断ソフトウェアをインストールするユーザーがあまりにも増えたことが主な理由で、広告会社が使うポップアップやポップアンダー広告は減っているという。ネットレイティングスの調べでは、今年1月、広告会社が記録したインプレッション数(広告の表示回数)は、前年同期の22億回から9億1800万回にまで減少した。

 一方で、閲覧を妨害するとよく非難される他の形態のオンライン広告——ページに覆い被さってくる、音や動きが煩わしい動画つきのものやフローティング広告など——は増加傾向にある。

[日本語版:多々良和臣/福岡洋一]日本語版関連記事

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(WIRED) - 3月2日18時20分更新

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