悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年02月24日(木) 14時52分

脱法ドラッグ駆け込み乱売 規制前に“在庫一掃” 仙台河北新報

 麻薬に似た興奮作用がありながら野放し状態の「脱法ドラッグ」について、国が規制に乗り出すと報道されて以来、駆け込み販売が目立ってきた。仙台市内では値下げに踏み切る店や、「今のうちだけ」と張り紙をする店も。売る側に規制が恐れられている表れだが、薬物依存に詳しい専門家は「駆け込み乱売で、規制前に若者にまん延してしまうのでは」と心配している。

 青葉区一番町の脱法ドラッグ店に入ると、「ドラッグも今のうちだけです。手に入るのは」との張り紙。同区内の別の店では「値下げしました」との表示も。宮城野区の店をのぞくと、女性店員が「間もなくほとんどが規制対象になります。今だけですよ、手に入るのは。買っておいて損はない」と勧めてきた。

 自ら脱法ドラッグを使っていると明かす市内の20代女性は「規制報道で、店に駆け込む人も出たようだ。わたしはインターネットで大量に買い集めた」と話す。

 国の規制時期はまだ明らかにされていないが、来年からになる可能性が高い。店主たちを取材すると「まだ規制前。買う人がいるから売ることの何が悪い」「規制の法案が出てくるまでは売り続けるさ」。

 脱法ドラッグを規制する独自の条例を作り、新年度から規制に踏み切る東京都でも同じような現象が見られる。都薬事監視課は「国の規制内容は明らかにされていないが、所持も処罰対象になる可能性がある。一部の脱法ドラッグが来月に麻薬指定されることもあり、在庫できなくなることを恐れた店側が、規制前に値下げしてでも売り尽くそうとしているようだ」と指摘する。

 共同生活を通して薬物依存患者の更生を図っている「仙台ダルク」の飯室勉代表は「駆け込み販売の動きは、国の規制方針が販売阻止に威力を発揮し始めたことの表れ」と評価する一方で、「脱法ドラッグは覚せい剤乱用の入り口になる恐れもあり、使用が広がるのは放って置けない」と危機感を募らせている。

 脱法ドラッグは種類が多いことなどから規制が後手に回ってきた。仙台市内でも女性用下着などと一緒に売る店が10店ほどあるほか、ラブホテルでも売られており、ほぼ野放し状態。厚生労働省はこうした状況を改善するため脱法ドラッグに広く規制をかける検討を始め、来年にも薬事法改正案の提出を国会に目指している。
(河北新報) - 2月24日14時52分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050224-00000013-khk-toh