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2005年02月23日(水) 13時11分

住民台帳閲覧で大量の個人情報、強引商法の業者が入手読売新聞

 ダイレクトメールを使った強引な商法で行政処分を受けた業者などが、住民基本台帳の閲覧制度を利用して、個人情報を大量に入手していることが、特定非営利活動法人「情報公開クリアリングハウス」(東京)の調べでわかった。

 振り込め詐欺や架空請求など個人情報を不正利用した犯罪が横行するなか、市区町村による閲覧の審査基準の運用がまちまちであるという問題が浮上してきている。

 昨年9月から今月上旬にかけて、政令市の区も含め全国93市区町村で閲覧請求について調査。そのうち東京都新宿区、金沢市、高松市など51の市区町村で情報公開条例に基づき、2003年から4年にかけての台帳閲覧の申請書の公開を求めた結果、4116件の閲覧請求があり、官公庁からの閲覧を除き、約4000件が民間企業からだったことがわかった。

 請求業者の中には、会員サービスの特典などを口実に若者を呼び出し、それとは関係のないパソコンソフトの販売契約をさせたとして、東京都から特定商取引法などに基づき行政処分を受けた業者がいた。また、東京都新宿区の会社を名乗って申請していたが、登記簿で見あたらない会社も交じっていた。

 住民基本台帳法では、氏名、住所、生年月日、性別の情報について誰でも閲覧請求が可能だが、自治体の長は請求を拒むこともできる。住所や生年などを指定すれば、該当する個人情報が大量に閲覧できる。

 閲覧請求する際には、請求者の氏名、住所、使用目的などを提出しなければならないが、審査は市区町村によってまちまちだ。不当な目的で利用されないかどうかを確認するため、法人登記簿、会社概要、事業の説明などの提示を求めていたのは13市区町村に過ぎなかった。

 クリアリングハウスの三木由希子室長は「情報がさまざまな悪徳業者に転用され、犯罪などに使われている可能性も否定できない」と指摘している。

 4月から完全施行される個人情報保護法は、5000人分を超える個人情報を扱う事業者などが対象。自治体は含まれない。同法では、個人情報の利用目的を明確化することを定めている。

 一方、住民基本台帳法では、請求に対しては原則公開だ。個人情報保護に詳しい森田明弁護士は「住民基本台帳法の閲覧制度でも、個人情報の保護について検討する必要がある」と話している。

 ◆住民基本台帳=市区町村が、そこに住む人の住民票を、世帯別にまとめた台帳のこと。氏名や住所、生年月日、性別などが記載されている。選挙人名簿の登録、国民健康保険や国民年金などの事務を行う際の基礎資料になっている。かつては誰でも自由に閲覧できたが、プライバシーが侵されるトラブルが相次いだため、現在は請求の際に目的を詳しく書くなど一定の基準がある。
(読売新聞) - 2月23日13時11分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050223-00000004-yom-soci