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2005年02月20日(日) 10時17分

有害物質 水道水に混入、14万人弱に影響 北海道毎日新聞

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水道水汚染の情況について説明する、東企業局長(中央)。右は渡辺孝一・岩見沢市長=北海道岩見沢市役所で19日午後4時すぎ、山田泰雄写す    北海道岩見沢市や三笠市など5市町村で構成する「桂沢水道企業団」(三笠市西桂沢、企業団長=渡辺孝一岩見沢市長)は19日午後、発がん性が疑われている有害物質ジクロロメタンが水道水から検出されたと発表した。一時は厚生労働省が定めている水道水基準値(1リットル当たり0.02ppb以下、1ppbは0.0000001%)の20倍近い量が検出された地点もあり、19日午前現在も給水地で基準値を上回る状態が続いている。
 同企業団によると、18日午後5時半ごろ、美唄市の陸上自衛隊美唄駐屯地で水道水を検査した研究機関から、16日採取分の水から1リットル当たり9.8ppbのジクロロメタンを検出したほか、17日にも同2.7ppb、18日にも3.9ppbを検出し、いずれも水道水基準値を大幅に上回ったとの報告があった。
 同企業団で調査したところ、三笠市の桂沢浄水場内の「1、2号沈殿池」の上屋で行っていた塗装工事で使われた塗膜をはがす薬剤を汚染源と特定した。5市町村や道、国に連絡し、沈殿池の清掃や送水管内の汚泥排出、活性炭注入などの措置を取った。
 19日午前10時現在、岩見沢市内の配水場で1リットル当たり0.068ppb、栗沢町内でも同0.92ppbが依然検出されている。同企業団は厚労省の指導を受けて同日午後、「煮沸すれば安全」との見解に達し、各市町村が「21日まで生水は飲まないように」と住民に周知している。同日夜までに体調不良を訴えた人は出ていないという。
 汚染が報告された時点で給水停止などの措置を取らず、住民への周知が遅れたことについて、同企業団の東宏企業局長は「水を急に止めるわけにはいかないと判断した。活性炭の効果がみられたこともあり、給水態勢の維持の方に判断が傾いた。しかし、結果的に周知が遅れたのは事実」と対応の遅れを認めた。
 同企業団は、三笠市の桂沢ダムを水源に岩見沢市、三笠市、美唄市の一部、空知管内栗沢町、北村の5市町村(計13万6000人)に水道水を供給している。【山田泰雄】

 【ジクロロメタン】別名・塩化メチレン。塩素を含む有機化合物で、金属部品などの加工段階で使った油の除去や塗装はく離材として使われる。マウス実験ではがんを誘発することが報告されているが、種差が大きい。国際がん研究機関(IARC)の分類では2B(人に対して発がん性があるかもしれない)。

 ◇ジクロロメタン検出の経過

【14日】三笠市の桂沢浄水場沈殿池の工事でジクロロメタンを含む薬剤を使用
【16日】研究機関が陸自美唄駐屯地の水道水から98ppbのジクロロメタンを検出
【17日】再検査で同270ppb検出
【18日】再々検査で同390ppb検出
17:30 研究機関から事業団に通報
18:30 水質検査開始
19:00 5市町村に連絡
【19日】
0:45 着水井に粉末活性炭溶液を注入
3:10 着水井に粉末活性炭溶液を注入
6:00 岩見沢保健所に連絡
9:40 厚生労働省に報告
11:30 5市町村会議
16:00 公表
(毎日新聞) - 2月20日10時17分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050220-00000013-maip-soci