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2005年02月12日(土) 00時00分

リウマチ薬服用後に134人死亡 99年以降、肺炎など副作用 中日新聞

 推定で約10万人が使用している関節リウマチの治療薬「リウマトレックスカプセル」(一般名メトトレキサート)の服用後に死亡し、薬との因果関係が否定できない重い副作用と判断された患者が、1999年の承認から昨年11月までに134人に達したことが11日、製造元のワイス社(東京)の集計で分かった。

 症状は造血機能が低下する骨髄抑制や間質性肺炎が中心。死亡した人の中には、同薬を服用してはいけない禁忌となっている腎障害や慢性肝疾患の患者や、定期的に必要な血液などの検査を行っていなかった人もいる。

 ワイス社は「医師や患者に注意喚起してきた」と説明、厚生労働省は「注意して使ってもらうしかない」としている。しかし、同社の患者向け冊子には死者が出ているとの記載がなく、情報提供の在り方を疑問視する声が出ている。

 リウマトレックスは医師の処方でのむカプセル剤で、関節障害を抑える効果がほかのリウマチ薬に比べ高く、長期間使用している患者も多い。

 同社によると、99年3月の承認から昨年11月までに主治医を通じて報告され、調査の結果「因果関係を否定できない重い副作用」と判断されたのは831人で、うち134人が死亡。60、70代の女性が中心だった。134人の症状は、骨髄抑制などの血液障害(50人)と間質性肺炎(49人)で全体の4分の3を占めた。死亡時期が確定できた人数は、99年が3人、2000年以降の各年は10人、24人、22人、32人、38人と、増加に歯止めがかかっていない。ほかに20人以上の死亡が報告され、同社が副作用との関連を調べている。

 ワイス社は、患者選択や副作用の初期症状を見逃さない指導について、医師らに「適正使用情報」を8回出すなど繰り返し注意を喚起、患者向け冊子でも「生命にかかわる副作用」「ときに重篤」という表現で危険性に言及しているという。

 <ワイス社の話> 致死的な副作用が起きることは、患者さん向けの説明資料にも記載し、できる限りの安全対策を取ってきた。患者さん、ご家族には大変お気の毒で遺憾に思うが、合併症や併用薬との関連もあり、すべてリウマトレックスが原因と考えるのは短絡的。死亡症例がゼロに近づくよう今後も適正使用を求める情報提供をしたい。

 ▼リウマトレックス  米国で開発され日本では1960年代から抗がん剤として使われてきたが、海外で関節リウマチへの効果が報告され、国内でも99年にリウマチ治療用のカプセル剤として承認された。治療効果の高さから、世界各国で標準薬とされている。骨髄抑制などの副作用が報告されており、十分な経験のある専門医が処方することになっている。


http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20050212/mng_____sya_____003.shtml