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2005年02月10日(木) 00時00分

結婚情報サービスの現状 出会いの一方トラブルも 東京新聞

 独身の男女が登録会員となって知り合う「結婚情報サービス」は、現代社会の「出会いの場」になっている一方、高額な解約料などで利用者の苦情も多い。経済産業省は、深刻化する少子化問題への対策として、結婚産業を健全に成長させようと、有識者でつくる研究会を発足させた。この業界の現状を調べた。

  (稲田 雅文)

 静岡県浜松市在住の公務員の男性(35)は一昨年冬、結婚情報サービスを通じて知り合った女性(29)と結婚した。

 職場では出会いの機会も乏しく、周囲の見合い話だけでは限界を感じ、「網を広げてみよう」と思い立って利用することにした。良いサービスが受けられるか不安があったものの、面接を担当したアドバイザーの人柄にひかれて会員に登録。二年分の会費を先払いした。

 入会すると、希望する条件に合致する女性のデータが送られてきた。何人かと実際に会い、入会から一年近くで紹介された女性とめでたくゴールイン。出会った翌月には交際を始め、サービスを休止した。前払いした会費はほとんど戻らなかったものの、良い人に巡り合えて「満足している」という。

 希望する相手が見つかるかどうかで評価が大きく分かれるのが同サービスの特徴だ。国民生活センターによると、「結婚相手紹介サービス」に関する相談は、一九九九年の千四百八十八件から二〇〇三年には二千四百七十三件と増加傾向にあり、特に「業者が一切解約、返金に応じない」などと解約にまつわるトラブルが多いという。

 多発するトラブルを受け、昨年一月から結婚相手紹介サービスは特定商取引法の規制対象になり、中途解約のルールが定められた。

 改正後、業者が解約には応じるようになったものの「解約料が高い」と依然として料金がらみのトラブルが多いという。

 多くの業者は、会費は前払い制。退会や解約時に払い戻す形を取っている。相手が見つかる確率はサービスを利用しはじめてから早い時期の方が高いとされ、サービスも初期段階で手厚くして料金も高めに配分してある。契約直後に一括で情報が提供される業者の場合、早い段階で解約すると「実質的に利用していない情報も含めて支払いの対象になる。予想より戻る金額が少ないことが、トラブルにつながっている」と同センターは分析する。

 結婚情報サービス業界には三千百社もの業者があり、そのうち七割近くが個人経営とされる。ある大手業者の広報担当者は「足並みをそろえることが難しい業界」とその実態を話す。

 大手四社は「結婚情報サービス協議会」を組織する。一九九〇年に設立された当初は十二社が参加していたものの、自主規制基準を定める過程で「厳しすぎる」などの理由で四社に減ったという。加盟社だけで国内の結婚情報サービス会員数のうち47%を占める。

 自主規制基準を設けており、勧誘方法や契約の内容などを細かく規定。誇大広告を防ぐため、広告に会員数や成婚者数などの数字を使う場合は、同協議会の承認を必要とするなど厳しいものだ。

 残りの半数のシェアを中小の業者が分け合う形で、中には高額の解約料や成婚料を請求したり、契約書を発行しなかったりと、問題のある業者も存在するようだ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20050210/ftu_____kur_____001.shtml