『泣きで決まる』　振り込めマニュアル（東京新聞）

2005年02月02日(水) 00時00分

　大規模組織による振り込め詐欺事件で、警視庁などは一日、詐欺の疑いで、住居不定、指定暴力団山口組系組員岡本勝美容疑者（５３）ら二人を逮捕、逮捕者は計三十六人になったと発表した。岡本容疑者はヤミ金融を営み、金を貸した客に金融機関の口座を開かせ、振り込め詐欺組織に売却していたとみられる。

　調べでは、岡本容疑者は、主婦（６０）に「口座をつくれば利息の支払いを待ってやる」と持ち掛けて昨年五月、埼玉県東松山市の銀行支店で主婦名義の口座を開かせ、預金通帳とキャッシュカードをだまし取った疑い。この口座は昨年六月、千葉県内の女性（５５）が二百三十万円を詐取された際の振込先に使われた。

　岡本容疑者は、ヤミ金融の客に「借金の返済期限を遅らせる」「口座を二万円で買い取る」などの条件で口座をつくらせ、組織に転売。振り込め詐欺を実行した「店」の店長は、調べに「口座は、口座屋から十万円ぐらいで買っていた」と供述しているという。

　一方、押収された振り込め詐欺の手口を記したマニュアルが同日、公開された。Ａ４判四枚つづり。「泣きの信用できまるので、ここは必死にやる」「『私はお母さんの味方です』みたいな感じがベスト」などとアドバイスが書かれていた。

悪のニュース記事