悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年02月02日(水) 10時29分

偽造困難ICカード化、95%の銀行メド立たず読売新聞

 偽造キャッシュカードによる預金引き出しの被害が急増している問題を巡り、全国の主要銀行124行のうち、95%を占める118行で、偽造が困難な「IC(集積回路)カード」を導入するメドが立っていないことが読売新聞のアンケート調査で分かった。

 深夜にATM(現金自動預け払い機)で多額の預金を引き出す「異常取引」を感知するシステムについても、「導入済み」「導入を前提に検討中」としたのは14%(17行)で、被害防止に向けた業界の取り組みの遅れが浮き彫りになった。

 調査は、全国銀行協会が先月、キャッシュカードを磁気テープ式からIC式に切り替えるなどの対策を公表したのを受け、個人向けカードを発行する127の加盟行を対象に1月末に実施。具体策を「公表できない」とした3行を除く124行が回答した。

 このうちIC化を「検討中」と答えながら、実施時期が決まっていないとした銀行は109行。ATMの変更に1行数億—数十億円の費用がかかるためで、ある銀行の担当者は「銀行間の体力差でIC化にばらつきが出ると、利便性が低くなるため単独では決められない」と答えた。IC化が「未定」「予定なし」と答えた9行のうち、複数の銀行は「コストを考えると慎重にならざるをえない」との理由を挙げた。

 すでにICカードを発行している大手銀行2行のうち、UFJは1枚2100円の手数料を、東京三菱はクレジット機能付きのカードとして年1万500円の会費を求めていたため、被害が急増した昨年後半までは、従来のカードと交換する預金者は一部にとどまっていた。

 アンケートで今秋までの発行を表明した4行のうち3行も、手数料などを取る予定。

 一方、深夜にATMで数十万円単位の預金を何度も引き出すといった異常な取引については、三井住友、宮崎など5行が、コンピューターで定期的にチェックするシステムを導入、みずほ、静岡など12行も導入を前提に検討をしている。

 しかし、13行は導入の予定がなく、残り94行は「導入の是非も含めて検討中」と回答した。

 また、計22行が偽造カードの被害を「確認している」と答え、うち2行は銀行名を出さないことを条件に、被害のうち100—200万円を上限に保険で補償したことを明らかにした。

 一方、今後の対応について、紀陽、北越、京都など18行は、今後、保険や銀行が加入する共済で一定の補償に応じるとしている。

 ◆ICカード=演算処理のできる集積回路(IC)を組み込んだプラスチックカード。ワープロ2行分ほどしか記録できない磁気カードに比べ、記憶量は100倍以上ある。コンピューターと交信するたびに信号が変わるなど、偽造が難しいのが特徴。
(読売新聞) - 2月2日10時29分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050202-00000001-yom-soci