悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年02月01日(火) 07時05分

予備校LEC、パンフの司法試験合格者数を水増し朝日新聞

 資格試験予備校大手の「東京リーガルマインド」(通称LEC、本社・東京、反町勝夫社長)が、司法試験講座のパンフレットに記載した過去のLECからの司法試験合格者数について、単発の模擬試験受験者も含んでいるのに同講座の受講生だけで合格したかのような不当表示をしていたとして、公正取引委員会の調査を受けていることがわかった。同社はすでに公取委から処分予定通知を受けており、近く景品表示法違反で排除命令が出される見通しだ。

 LECは、司法試験のほか公認会計士や弁理士などの資格試験対策講座を主要都市を中心に40校以上で展開。ほかに、構造改革特区制度を利用した初の株式会社立大学「LEC大」を昨年4月に開校しており、今回、特区認定をした自治体などに文書を配って公取委の調査を受けた経緯を説明した。

 朝日新聞が入手したこの文書によると、不当表示との指摘を受けたのは、「平成に入ってからの15年間で、延べ1万2059名の方が司法試験に合格なさいましたが、その内1万991名の方がLEC会員としてLECの司法試験講座をご利用になりました」という表現の太字部分。

 LEC会員とは、講座の受講生のほかに多数の模擬試験の受験者も含んでいる。それにもかかわらず、問題のパンフの表示では、1万人以上の司法試験合格者がLECの講座を利用した人だったかのように誤認されると指摘された。

 公取委がLECに示した処分案では、今後こうした表示をやめるとともに、不適切な表示をしたことを新聞紙面に公表するよう命じることを盛り込んだ排除命令になるという。

 LECは問題のパンフをすでに回収・廃棄。あわせて、自主的に設けた「広告表示規準」にのっとり、同社法務部のチェックを経た合格実績だけを表示するよう改めたという。

 司法試験を巡っては、法科大学院の修了者を対象に06年度から始まる新司法試験の合格者枠をどういう割合にするかで議論が続いている。一方で、法科大学院の在学生のうち、少なくとも94人が昨年実施された現行司法試験に合格していたことも明らかになっている。在学中に、現行試験で「一発合格」を目指す学生にとっては、依然として資格試験予備校への需要は高いとみられる。

 LEC法務部は「関係自治体などのお客様に事情を説明したが、処分が確定していない現段階では取材に応じられない」としている。(02/01 07:05)

http://www.asahi.com/national/update/0201/003.html