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2005年01月26日(水) 01時28分

海老沢NHK会長が辞任 後任に橋本専務理事が昇格朝日新聞

 NHKの海老沢勝二会長(70)は25日、最高意思決定機関の経営委員会(石原邦夫委員長=東京海上日動火災保険社長)に辞表を提出、承認されたため同日付で辞任した。笠井鉄夫副会長(63)と関根昭義放送総局長(62)も同日付で辞任した。後任会長には橋本元一(げんいち)専務理事・技師長(61)が、副会長には永井多恵子・元解説主幹(66)が同日付で就任した。同委員会は15%の役員報酬カットを含めた05年度予算案と業務改革案を承認した。また、NHKは受信料支払い拒否・保留件数が、年度末には45万件から50万件になるとの見込みを明らかにした。

 海老沢氏は97年7月に会長に就任。3期目で、任期は06年7月までだった。在任期間は7年6カ月間。元チーフプロデューサーの制作費着服など一連の不祥事やその後の対応に視聴者の批判が高まり、受信料の支払い拒否・保留件数が増えていることなどから、笠井氏、関根氏とともに経営責任を取る形となった。任期途中での会長辞任は、91年に国会での虚偽答弁が問題化した故島桂次氏以来となる。

 海老沢氏は辞任後の記者会見で「支払い拒否・保留件数が増えたことについては非常に残念」と辞任の背景を示唆。予算案、業務改革案を経営委員会が承認したことで「再生に向けた抜本的な道筋をつけることができた」と語った。

 辞任がこの時期になった理由を「会長職に恋々としていたわけではなく、辞める覚悟はあった。NHKの再生や信頼を考えて、この時期に辞表を提出した」と説明した。さらに、「今後は、人材育成とNHKの海外への文化普及にかかわる仕事をしていきたい」と話した。

 新会長に就任した橋本氏は、静岡県出身。東工大理工学部卒で、68年にNHKに入局。技術局計画部長、技術局長を経て、04年に専務理事・技師長に就任していた。一連の不祥事の現場と距離がある技術系出身であることから選ばれた。技術系出身の会長は初めて。任期は3年。

 当初、政府・与党などには外部からの起用案もあった。だが、海老沢氏はこれまでの記者会見で「会長職は複雑で、外部の人では難しい」などと語っていた。

 橋本氏は25日の就任会見で「受信料は公金という意識をしっかり持ち、ぜひ信頼を回復したい」と決意を述べた。

 副会長の永井氏は、60年にアナウンサーとして入局。その後、解説委員として女性問題、生活経済、文化・教育を担当した。90年に女性初の局長として浦和放送局長に就任。95年に退職、現在は世田谷文化生活情報センター館長を務めている。

 一方、経営委員会に承認された05年度予算案の事業収入は、前年度比で0.9%減の6724億円。このうち受信料収入は、72億円の減額となっている。受信料収入が予算ベースで前年度を下回ったのは初めて。

 このため支出面では、役員報酬カットと職員給与の減額を併せて28億円を削減。また、これまで比較的優遇されていた番組制作費にあたる「国内放送費」を、1.9%減の2752億円にした。

 受信料支払い拒否・保留件数は、昨年11月末現在の11万3千件から大幅に増加する見込みとなった。NHK幹部は「予算案の作成に当たって、深刻な影響を及ぼした」と語った。

 業務改革は、NHKに対する有識者懇談会の設置、コンプライアンス(法令順守)活動の強化、情報公開の推進などが盛り込まれた。(01/25 22:13)

http://www.asahi.com/culture/update/0125/014.html