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2005年01月25日(火) 17時19分

プリペイド携帯、本人確認を義務化 今国会成立へ朝日新聞

 被害額が年間約300億円に上る「振り込め詐欺」などの対策として、プリペイド式携帯電話の販売時に本人確認を義務づける「携帯電話本人確認および不正利用防止法案」について、与党と民主党が合意した。今国会に提出され、成立する見通し。

 昨年12月に施行された預金口座の転売を禁じる改正本人確認法と併せ、振り込め詐欺に悪用される2大ツールが法規制されることになる。しかし、複数契約の制限などは携帯電話会社の自主規制に任されており、効果のほどは未知数だ。

 プリペイド式携帯電話は、大量に一括契約して転売する仲介業者が目立ち、使用者不明の電話機が犯罪に悪用されていた。契約時や名義変更の際には運転免許証などの提示を求め、氏名と住所、生年月日で本人確認をしたうえ、事業者には記録の作成を義務づける。

 これまでは、使用者が次々と変わって匿名性が高くなる危険があったが、新しい法案では事業者に対し、譲り受けた人の確認を仲介業者にするよう義務づけているほか、さらに譲渡する場合には事業者の承諾を得なければいけないとしている。

 犯罪に悪用されているとみられる電話機があった場合、警察署長は事業者に本人確認を求めることができる。事業者は、契約時などの本人確認の拒否や不正譲渡があった場合、回線を停止することができる。

 罰則は、虚偽の申告をした者や他人名義の電話を譲渡した者、インターネットでの広告掲載などをした場合、50万円以下の罰金を科す。事業者の承諾を得ないで親族以外に譲渡するなど営業行為をした者は懲役2年以下または罰金300万円以下と定めている。本人確認を徹底しない事業者には総務相が是正命令を出すこともある。

 プリペイド式携帯電話は約270万回線あり、そのうち70万回線は使用者が不明という。携帯電話各社は昨年末から契約者情報の確認作業を進めており、一定期間内に契約者から届け出がなければ利用停止にするという。

 しかし、この確認作業と利用停止の徹底は各社の自主規制に委ねられている。前払いした通話料をいったん使い切った後、追加払い(リチャージ)する際には本人確認がないため、継続して使用者を確認することはできない。

 警察庁は「犯罪に悪用される可能性がある電話を完全に締め出せるとまでは言えない」としている。

    

〈プリペイド式携帯電話〉 契約時に通話料を前払いする携帯電話。98年からサービスが始まり、通話料を追加払いすれば、繰り返し使用できる。子供の長電話防止や企業の出張者用などの需要があるが、転売や譲渡で利用者がわからなくなった電話が犯罪に悪用される例が相次ぎ、振り込め詐欺事件では発信元が判明した携帯電話のうち約9割はプリペイド式だった。NTTドコモは「負の部分が大きくなっている」と廃止を決めたが、100万台以上の利用がある最大手のボーダフォンなどは廃止には否定的な見解を示し、新規加入時の本人確認強化などの対策を取っている。(01/25 16:24)

http://www.asahi.com/national/update/0125/024.html