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2005年01月07日(金) 15時31分

胎盤エキスの美容注射で肝障害…メーカーが副作用報告読売新聞

 美容に良いとして人の胎盤エキスを注射した東京都内の40代の会社員女性が、急性肝障害の副作用症状を起こし、約1か月間入院していたことが7日わかった。

 胎盤エキスは肝臓病などの医薬品として承認済みだが、最近は「プラセンタ(胎盤)注射」の名称で美容目的での使用が広がっている。重い副作用症状の報告は初めてで「予期しない病気や感染症を起こしかねない」と指摘する専門医もおり、胎盤エキスのメーカーは薬事法に基づき副作用報告を厚生労働省に提出した。

 この胎盤エキスは、日本生物製剤(本社=東京・渋谷)が製造し、医薬品としての承認を受けている注射剤「ラエンネック」。胎盤エキスには細胞の増殖を促すさまざまな物質が含まれており美肌効果が高いとされる。女性は、都内の美容クリニックで「きれいな肌を維持するためにはプラセンタを注射した方がいい」と勧められ、2004年6月ごろから月2回、ラエンネックの注射を受けた。

 7月下旬になって、だるさや黄疸(おうだん)などの症状が出て、国立国際医療センター(東京・新宿)に緊急入院。肝臓の細胞が壊れる急性肝障害と診断された。治療チームが調べたところ、女性の白血球は胎盤エキスに触れるとアレルギー反応を起こし、異常な形態になることがわかった。他にアレルギーを起こす要因がないことから、胎盤エキスによって異常になった白血球が肝細胞を壊したとみられる。

 厚労省は12月中旬に、「未知の副作用の報告で重症例」とみて、日本生物製剤に対し、詳細な症例データを報告するよう、薬事法に基づき指示していた。

 これまで、胎盤エキスの副作用としては、注射した場所が赤くはれたり、めまいなど軽い症状しか知られていなかった。

 治療チームの正木尚彦・第2消化器科医長は「生体組織を原料にする以上、予期しない感染症が潜む可能性もあり、関係者はそうした点をもっと周知すべきだ」と指摘している。

 日本生物製剤は「初めての重い副作用例で驚いている。医師への関連情報の提供を積極的に行う必要性を痛感する」と話している。
(読売新聞) - 1月7日15時31分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050107-00000007-yom-soci