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2005年01月06日(木) 00時00分

『私も』読者から続々 エステでトラブル  東京新聞

 昨年十二月十六日生活面でエステの契約についてのトラブルを報道したところ、読者から「同じ体験をした」という声が多数寄せられた。何時間も拘束されて契約を勧められ困惑したという声のほか、友人から勧められて軽い気持ちでエステサロンに行ったところ、高額の契約をすることになってしまい、その後、その友人との人間関係がぎくしゃくしてしまったなど、金銭面のトラブルだけにとどまらないようだ。 (稲田 雅文)

■紹介され…友人関係にひび

 「お試し」などと言ってエステサロンに誘い、エステや化粧品について長時間説明。「今からやらないと将来はひどい肌になる」と不安をあおったり、契約書を書くまで帰れないような雰囲気にしたりして契約に持ち込む−。寄せられた投書で共通するのが、こうした強引なやり方だ。

 投書1のように、エステで高額契約をしてしまった女性の親の声が目立った。アルバイト程度の収入しかない若い女性が、高額の契約をしたことを親に隠してクーリングオフができる期間もすぎ、結局は親が支払いを肩代わりしてしまう事例が多い。

 投書2は、エステサロンであることを隠して誘い出されたケース。昨年十一月の特定商取引法の改正で、サービス提供契約を結ぶ目的を隠して誘い出し、公衆の出入りする場所以外の場所で勧誘する行為が禁止された。違反すると業者名公表といった行政処分だけでなく、刑事罰の対象にもされた。投書2はこれに当てはまるとみられる。

 中途解約で返金されないトラブルも目立った。

 同法では契約書面の交付から八日間のクーリングのほか、この期間がすぎても解約できる「中途解約権」が定められている。解約料など業者側が請求できる金額の上限は、サービスの提供前なら二万円。提供後でも、解約までに行われたサービスの対価に、残りのサービス料金の10%相当額(二万円が上限)を加えた金額までに制限されている。しかし、「残りのサービス分を化粧品に交換しろと言われた」とする投書もあり、業者側で徹底されていないようだ。

 トラブルは金銭的なものだけにとどまらない。

 業者の中には紹介した人が契約するとリベートを渡したり、旅行などが当たったりするような制度を設けているところがあるという。投書3のように、友人からエステサロンに誘われた理由がリベートにあることを知り、「人間不信に陥った」「関係がぎくしゃくするようになった」などという声も多く寄せられた。

 経済産業省によると、エステティック産業の店舗数は二〇〇一年度で九八五七店。市場規模は約三千八百七十七億円にも上る。今後成長が見込まれる産業である半面、契約トラブルや問題のある施術がみられる=グラフ参照=ため、同省は〇三年六月に「エステティック産業の適正化に関する報告書」をまとめた。

 これを受け、既存の業界団体などは昨年五月、NPO法人「日本エステティック機構」を設立。消費者との間のトラブルを解消していくため、資格制度の確立を目指すとともに、〇六年をめどに、基準を満たしたサロンを認定する制度を立ち上げる方針だ。

 ■投書1

 大学生の娘(22)が、計五十万円の契約をしたことが分かり、娘の代わりに解約をしてきました。お試しで行ったのに、その場で高額の契約をしてしまったようです。「怒られるのが怖い」と数カ月間、親に秘密にしていたので、解約のために二十七万円もかかりました。

 問題だと思うのが「親に知られないように」と、信販会社の書類の郵送先を自宅ではなく、エステサロンあてにしていたこと。店は「本人が二十歳をすぎているので問題ない」と言うばかりです。 (52歳・主婦)

 ■投書2

 以前「無料で肌のチェックをしてもらえる楽しい店がある」と友人から電話で誘われました。エステとは聞かされず友人に付いていくと、店員と一対一でブースに入り、しつこい勧誘を受け、三十六万円の契約をしてしまいました。

 私の通う大学に被害者が多数発生したようです。弁護士を通しましたが二年たった今もまだ解約の手続きはできていません。 (22歳・女性)

 ■投書3

 仲良しグループ仲間にエステに通っている人がおり、仲間をエステに紹介して紹介人数に応じてお金をもらっていたのです。契約した人たちは中途解約しましたが、支払った金額は十万−三十万円に上ったそうです。

 利用されているようで、信頼は途切れてしまいました。成人ではあるけれど、未熟な部分が多い私たちは絶好のターゲットのようです。 (大学三年生)

 ■投書4

 エステ会社の中間管理職です。悪質なエステがあると、エステそのものが悪いイメージで見られてしまう。汚いやり方をするところは看板を上げてほしくないです。

 当社では、書面控えの渡し忘れなど、トラブルの元をなくすよう徹底し、未成年者の高額契約は保護者の同意書を義務付けるなど、独自の規約を作っています。堅いやり方で信用を得ながら頑張るサロンは他にもたくさんあります。 (36歳・女性)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20050106/ftu_____kur_____001.shtml