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2005年01月05日(水) 08時25分

人間ドックを採点、公表へ 病院団体が5段階で評価朝日新聞

 どこの病院の人間ドックなら、安心して受診できるのか。こんな悩みを解決する手助けとして、公的病院などでつくる日本病院会(山本修三会長)は4月から、ドックの内容を採点する制度を本格的に始める。学会に委託し、受診者への配慮、検査の質などの5分野74項目について、5段階で評価し、公表する。成績公表は初の試み。病気の見落としや誤診を防ぐための質の向上が狙いだ。

 同病院会は、国立病院や都道府県立病院、民間の大規模病院など約2700病院で構成されている。ドックは、うち1400病院で実施している。

 同病院会は日本人間ドック学会(奈良昌治理事長)に評価を委託。同学会は書類審査や訪問調査を実施し、組織体制、受診者への配慮、検査の質、会計処理と情報管理、地域医療との連携の5分野にわたり調べる。専門医の人数や検査機器の保守点検、受診者の経過把握、結果記録の保管、プライバシー保護など185項目を3段階で採点する。

 検査の質については、「受診者ごとの担当医がいるか」「X線の読影は専門医が行っているか」「事故防止の仕組みがあるか」など細かくチェックする。

 この評価結果を受け同病院会は、一定水準以上の施設に認定証を出す。さらに、審査項目をもとに受診者の病院選択の参考になりそうな74項目について5段階で評価した点数や「質は十分に高い」などの総合評価コメントを、学会のホームページで一般に公開する。

 認定期限は5年。期限内に再度、審査を受け直す更新制にする。

 同病院会は59年から大企業の健康保険組合でつくる健康保険組合連合会(健保連)へ推薦するために、都道府県などの単位で、ドックについて審査してきた。しかし、検査機器の数、医師数などのおおざっぱなもので基準もあいまいだった。

 さらにドックについて、「患者集めに利用している」「見逃しや要検査の乱発がある」などの批判が健保組合や受診者などから出ていた。学会が全国統一の基準で評価することで質の向上を図り、受診者が病院を選ぶ際の客観的な基準を提供するのが目的だ。

 同病院会は、これまで健保連に推薦してきた約630の病院などが審査を受けるとみている。評価制度は昨年9月から先行的に始まり、70施設から申し込みがあり、8施設に認定証が発行された。新年度から、残りの病院の審査を随時進めていく予定だ。

 人間ドックは同病院会のほか、民間病院主体でつくる全日本病院協会(約2千病院)加盟の医療機関などでも実施している。少なくともこれらの団体が健保連に推薦している病院は計1130施設あり、年間計340万人が受診している。

 奈良理事長は「将来、評価基準はさらに厳しくする。5年ごとに更新審査を受ければ質が改善され、ドックの総合能力アップにつながる」と話している。

(01/05 08:24)

http://www.asahi.com/national/update/0105/006.html