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2005年01月03日(月) 07時15分

<介護ベンチャー>事業者募集し、預かり金集め破たん 大阪毎日新聞

 介護ビジネスのベンチャー企業「ビッグハートジャパン」(大阪市西区)が、小規模老人ホームを管理運営する事業者を募集し、応募者約30人から預かり金計約1億円を集めたまま破たんしていたことが毎日新聞の調べで分かった。他にも出資金などとして多額の資金を集めており、負債総額は約5億5000万円に上るとみられる。応募してきた事業者に土地建物を提供して施設を運営させる仕組みだが、実際に同社から土地建物を紹介されたのは1人だけで、一部の応募者は「最初からだます意図だった」として詐欺容疑での告訴を検討している。
 介護ビジネスは急成長を見せる一方、金銭トラブルも多発しているが、これほど大規模な被害が確認されたのは初めて。
 同社は国の「安心ハウス構想」に基づき、高齢者が入居するマンション形式の小規模介護施設の展開を計画。遊休地の所有者らから同社が土地と建物の提供を受け、別に契約する事業者に施設の管理運営を委託するシステムで、03年夏ごろから04年7月にかけて東北—九州の約30人と施設管理運営事業者としての契約を結んだ。
 管理運営者は契約時に土地所有者への保証金などとして約450万円を同社に支払うが、実際に土地建物の提供を受けたのは1人。しかも同社はこの施設がオープンした後、土地所有者への家賃▽施設備品のリース料▽管理運営者への報酬——など契約にある資金の支払いを怠り、管理運営者は自力で施設運営をせざるを得なくなった。
 また、契約後半年たっても土地建物が見つからない場合は解約できる契約だが、同社は解約要求に対し「もうすぐ見つかる」などと先延ばしを図り、預かり金の返還を受けた人は最も初期に契約した1人だけだった。
 関係者によると、同社は04年1月ごろから事務所の賃料が滞ったり、社員の給与が未払いになるなど資金繰りが悪化。しかし、以後も管理運営者の募集を続け、最後の契約は同社が実質的に破たんする04年7月末のわずか半月前だった。一方、同社社長は同時期に自己破産の準備を進めたが、必要経費を納められず破産計画は頓挫。同10月以降は連絡がとれない状態が続いているという。
 【ことば】安心ハウス構想 高齢の中所得者が「安心して暮らせる住まい」を民間活力により普及させる構想。公有地や民間の遊休地の有効活用などにより、高齢者が月額15万円程度の利用料で個室生活できる施設が中心だ。基本的に国の補助金はないが、その分経営の自由度が高いのが特徴。内閣府など政府の関係部局で普及に努めている。
(毎日新聞) - 1月3日7時15分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050103-00000007-mai-soci