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2004年12月21日(火) 09時27分

定額で「携帯アダルト動画」に射し込んだ光明ITmediaモバイル

 携帯が定額制になって、何が可能になったか。いろいろ答えはあるが、「アダルト動画が携帯で見られるようになった」と答えるのがソフト・オン・デマンド(SOD)とアサップネットワークだ。

 両社は、共同で携帯向けアダルト動画サイト「SODモバイル」を運営している。定額アダルト動画がどう利用され、ユーザーからどうとらえられているか、アサップネットワークの取締役営業担当、西山圭氏に聞いた。

●非公式コンテンツとして、「無料動画」配信

 西山氏は、SODモバイルを7月に立ち上げたきっかけの1つは間違いなくキャリアの定額制導入だと話す。auが定額制で先行し、ドコモが6月に「パケ・ホーダイ」でこれに追随した。「これにより、携帯で動画を見ても料金がかさまずすむようになった」(同氏)。11月には、ボーダフォンも定額制を導入している。

 もっとも、公式サイトではアダルトコンテンツは禁止(後述)。そこでSODモバイルは、一般サイトとしてアダルト動画を無料配信する道を選択した。ユーザー課金は行わないが、サイトをDVDプロモーションの場として活用することで、パッケージ商品の売上増に寄与しようという考えだ。

 SODといえば、高橋がなり氏が社長を務めることで有名なセルビデオ業界の最大手。2003年度の年商は85億円と、AV業界トップクラスの実績をもつ。ここで毎月リリースされる大量の新作映像のうち、9割程度を携帯向けに加工し、プレビューコンテンツとして配信することにした。

 「30秒程度の動画を120本用意し、月2回に分けてリリースしている」(同)。ビットレートは、50K〜60Kbps程度。PCプラットフォーム向けとしてはやや“粗い映像”の部類だが、携帯向けとしてはまずまず見られる画質となる。auの1X WINユーザー向けには、画質はそのままで3分の“長時間版”も用意した。ユーザーは、無料の会員登録を行うだけでこれらの動画を視聴できる。

 3キャリア向けにサイトをオープンしたのが、7月15日のこと。それから数カ月のうちに、SODモバイルは累計4万会員を抱えるサイトに成長した。

 「1日平均の動画ダウンロード数は、約9万。毎月の更新日直後など、多いときは40万ダウンロードに達する。これは予想を越えていた」

●新作映像への強烈なニーズ

 西山氏が驚いたのは、ユーザーの映像に対するニーズの大きさだという。「1人あたり、1カ月に30〜40本は見ている。それこそ、サイト全体をなめるように見ている」

 サイト閲覧から、DVD購入につながるのかという問題もある程度めどが立ちそうだ。「今のサイトは、ユーザビリティが必ずしもよくない。改善の余地は多いと思っているが、それでも映像を見た後に、毎月何千本の単位でユーザーがDVDなどパッケージを購入してくれている」

 面白いのは、リアルのショップから寄せられた声だ。「最近は、店頭で携帯を操作するユーザーが多くなった」

 通常、アダルトビデオショップでセルビデオはビニールなどに包まれている。視聴コーナーなどを置いている店はまずない。たいていのユーザーは「ジャケ買い」している状況だが、中には“ハズレ”もあるだろう。

 だが、SODモバイルを使えばこの問題はある程度解決できる。SODモバイルで更新された「新作コーナー」を見ていけば、店頭にある“新作”に対応する動画はだいたい見つけられる。これを視聴して、買うか買わないか判断できるわけだ。

 西山氏は、この使い方に「携帯動画のメディアとしての可能性を感じた」と話す。

 「今後は、携帯サイトの女優検索やジャンル検索を充実させて、ユーザーがより容易に見たいタイトルの動画を視聴できるようにしたい」

 西山氏はまた、動画以外のコンテンツも拡充するつもりだと話す。具体的には、AV女優の着信ボイスや、女優の「24時間のぞきカメラ」といったコンテンツが考えられるという。

 「将来的には、携帯とPCのプラットフォームを統合したい。サイト内のポイントを共通化したり、同一パスワードでログインできるようにできれば」

●最大の脅威は「悪質アダルトサイト」

 現状、携帯キャリアは公式コンテンツとしてアダルトを認めていない。各キャリアは独自の審査基準を設けており、厳密にいえば「胸を過度に強調した水着ショット」もアウトという状況だ。

 必然的に、アダルトサイトといえば一般サイトになる。だが、一般サイトは“玉石混交”の世界。違法なサイトや、架空請求を行う悪質なサイトも存在する。

 「携帯アダルトは、一般人が恐くて歩けない“スラム街”になりつつある。元に戻さなくては」

 SODモバイルでは、ほかのアダルトサイトのバナー広告は一切入れていない。西山氏は、「出会い系のサイトなどとは、関わり合いになりたくない」と話す。仮に広告を入れるとしても、上場企業など信頼性の高い一般企業に限る。そうやって、安心できるサイト作りを目指している。

 それでも、携帯は未成年がアクセスしやすいツールであり、成人向けコンテンツの扱いは慎重にする必要がある。SODモバイルの場合も、未成年が会員登録時に年齢を詐称して、動画を閲覧してしまうおそれはある。この点を問題視する人間もいるだろう。

 しかし西山氏は、「電気通信事業法や、風営法に基づく届け出も行っている。DVDを購入してもらう場合には、身分証のFAXを求めるなど、年齢確認を行わずに販売することはない」と強調する。SODモバイル内には、悪質サイトの手口と、その対策を解説するコーナーさえ設けている。

 こうした取り組みにより、まともな「携帯向け成人ジャンル」を確立したいと西山氏。最近では、ユーザーにも徐々に理解されるようになってきたという。

 「サービスを提供していると、最初に『本当にタダなのか。裏があるのではないか』と疑り深いユーザーもいる。無料だ、といっても『本当の本当?』とメールがくる」(笑)

 しかし、無料でアダルト動画が見られると分かると、喜びのメールが届くという。「今までだまされ続けてきましたが、このサイトは最高です」——。これはある意味、いかに悪質なアダルトサイトがはびこっているかを裏付けるエピソードともいえるかもしれない。

http://www.itmedia.co.jp/mobile/
(ITmediaモバイル) - 12月21日9時27分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041221-00000002-zdn_m-sci