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2004年12月19日(日) 09時20分

<ブリヂストン>JISマーク未認定タイヤ 虚偽表示で販売毎日新聞

 タイヤメーカー最大手の「ブリヂストン」(本社・東京)が、認定がないのに日本工業規格(JIS)マークが刻印されたタイヤを販売し、経済産業、国土交通両省から是正措置や市場対策を求められていることが分かった。タイの提携工場が委託生産し、今夏まで3年間に約13万本を販売。虚偽表示にあたり、工業標準化法に違反していた。同社は「品質や安全上の問題はない」と回収はしない方針だが、違法マークが放置されたままになっており、企業の姿勢が問われそうだ。
 問題のタイヤは、排気量50〜80CCのスクーターの交換・補修用で、6種計13万4592本。
 両省や関係者によると、ブリヂストンは00年9月、タイヤ製造・販売「井上ゴム工業」(本社・名古屋市)と提携。同工業のタイの関連会社「井上ゴム・タイランド(IRCT)」に資本参加(3%)するとともに、同工業と合弁で輸入会社「BIMC」を設立。ブリヂストン商標のタイヤ製造をIRCTに委託し、01年8月から生産を始めた。
 生産に先立ち、00年8月にIRCTがタイ当局を通じて通産省(現経産省)に自工場のJIS認定を申請。ところが、書類に記載漏れなどがあり、審査に入る前に見切り発車でマークを刻印し製造。その後、手続きが止まった。
 今年7月、井上ゴム工業関係者がタイの工場を訪れた際、JIS未認定であることに気づき、ブリヂストンは8月末、生産を中止して経産省に届け出た。同省は、法的に製品の回収までは規定されていないため、在庫品と鋳型からの刻印抹消と、再発防止を命じた。
 また、ブリヂストンは9月、検査機関で品質を確認後、国交省に「道路運送車両法の基準に適合している」と報告した。ユーザー向けには自社ホームページで告知している程度のため、消費者からの問い合わせは数件しかない。国交省も「消費者への説明が不十分」として事情を聴いており、改めて周知徹底を指導する。
 同社広報・宣伝部は「JISマークが取得できるという前提で話を進め、設計から生産、検査の段階で確認が足りなかった。ユーザーにおわびするとともに、再発防止に取り組む」と説明。井上ゴム工業は「BIMCに開発や品質管理の機能を委譲しており、直接関与する立場にないが、必要があれば対応策を考えたい」としている。【武田良敬】
 【JISマーク】鉱工業製品の安全性や品質、互換性などを確保するための規格。工業標準化法で、JISマークを表示するには、国内外とも製造業者が工場ごとに経産省か指定機関に申請し、(1)規格に適合しているか(2)品質管理が適正か——などが審査され、経産相が認定。認定業者以外が表示した場合、1年以下の懲役か100万円以下の罰金も規定されている。
(毎日新聞) - 12月19日9時20分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041219-00000007-mai-soci