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2004年12月14日(火) 00時00分

「振り込め詐欺」手口判明朝日新聞・

マンションに集合し分担 
電話帳でお年寄りに狙い 呼びかけて名前聞き出す


  万引きしてしまった孫などを装ってお年寄りらに電話をかけ、弁償金名目で金をだまし取る手口の「振り込め詐欺」を繰り返していたとして、詐欺などの罪に問われたグループ6人の初公判が13日、大津地裁であった。検察側の冒頭陳述などを通じて、犯行の詳細が明らかになった。

●「出勤」

  冒頭陳述や県警の調べでは、グループの主犯格は、メンバーに「社長」と呼ばれていた無職の立石卓司被告(44)=大阪府堺市土師町1丁。万引きの弁償金という名目で金をだまし取る手口も立石被告が今年5月ごろ思い付いた。

  知人らを誘い、だまし取った金を振り込ませるための架空名義の口座やプリペイド式の携帯電話を準備した後、6月上旬から犯行を始めた。

  メンバーは拠点の堺市内のマンションに午前10時ごろに集まり、立石被告が、電話をかけるペアや口座からの引き出し役などを細かく指示していた。

●「私、私」  

  狙いは電話帳でつけていた。お年寄りらしい名前を適当に選び出し、お年寄りが一人で在宅することの多い平日を中心に1日当たり200〜400件の電話をかけていた。時間帯も現金自動出入機(ATM)の操作に不慣れなお年寄りを想定し、窓口での振り込みが可能な午後2時ごろまでに限っていたという。

  電話では「私、私」と呼びかけ、お年寄りが孫娘などの名前を言うのを待った。名前を聞き出すと、以後は万引きをして捕まったと説明し、「どうしたらいいの?」「何とかします」などと答えさせ、弁償金として80万円程度をめどに口座に振り込ませていたという。

●被害2千万円  

  県警の調べでは、口座への入金状況などから、グループは約4カ月間に、滋賀、京都、奈良、徳島の4府県で少なくとも約20件、約2千万円をだまし取っていたとみられ、今後、裏づけが取れ次第、順次追送検するという。

  起訴状では、立石被告ら4被告が9月29日に逮捕された際の詐欺未遂の罪に問われ、立石被告と別の2被告は、6月10日に京都府内の女性(80)から79万5千円をだまし取るなど2件で詐欺罪に問われている。また別の2人もグループのメンバーとして起訴されている。公判では、立石被告ら5人は起訴事実を認めたが、残る1人については弁護側は「詐欺未遂の幇助(ほうじょ)にとどまる」とした。

(12/14)

http://mytown.asahi.com/shiga/news02.asp?kiji=4637