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2004年12月11日(土) 14時53分

ニセ訴状 弁護士かたる 個人情報聞く答弁書も 「提訴」装い架空請求 手口巧妙化 久留米で相談2件西日本新聞

 偽物の「訴状」を送りつけて既に裁判を起こしたように見せかけ、インターネットサイトの使用料未払い分を求める新手の架空請求文書が出回っていることが十一日、福岡県久留米市消費生活センターの調べで分かった。訴訟の事件番号や印紙・予納郵券額など専門的内容を記載して本物らしく見せた上、同封した「答弁書」に個人情報などを書かせて返送させる巧妙な手口。東京でも全く同じ文書が確認されており、同センターは送付先は広範囲にわたっている恐れがあるとみて、注意を呼び掛けている。

 同センターは九日に二件の相談を受理。それによると、文書は同じ文面。「重要」「大至急」と朱書された封書で郵送され、「訴状」と「答弁書」が入っていた。差出人は神戸市の弁護士名で、事務所の住所、電話、ファクス番号も記されているが、該当する弁護士は存在しないという。

 「訴状」は、インターネット有料サイトの料金督促に応じなかったとして、三十一万六千円の損害賠償を請求。弁護士が通常作成している訴状を模した体裁で、「答弁書」は、「東京簡易裁判所民事2係」といった部署名や、民事事件を示す記号「(ハ)」などの記載があり、既に訴訟が受理されたように装っている。

 「支払い拒否や逃亡の際は執行官とともに差し押さえする」とし、裁判を欠席すれば「原告の勝訴になる」と念を押す一方、「答弁書」は未払いの認否や言い分、住所や電話番号を書き込んで郵送かファクス送信するよう指示している。

 同センターは、返送した情報に基づき文書発送者から払い込みの指示がくる仕組みとみている。「答弁書」の中の選択肢で「未払いの事実について知らない部分がある」「和解による解決を希望」などと回答した場合は、別の架空請求も仕掛けられる恐れが強いとみている。

 東京都江戸川区内でも同じ文書が相次いで郵送され、料金別納郵便で発送されていることから、各地に多数送りつけられている疑いが強いという。

 福岡地裁は「事件番号を記すなど手口がかなり巧妙化している。ただ、見分け方を公開して注意を呼び掛けても、すぐにその欠点を補った文書が出回るはず。身に覚えがない場合は相手方ではなく、裁判所や消費者相談窓口に問い合わせてほしい」と話している。

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ワードBOX=訴訟装う架空請求

 従来は「未払いが続けば提訴する」と脅す内容が多かったが、最近は、裁判所名で提訴されたことを伝えるはがきを送り、訴訟取り下げのため現金を振り込むよう指示する事例も出ている。裁判所が訴訟当事者に提訴事実を伝える場合は、訴状の複本と口頭弁論の呼び出し状を特別送達で送る。はがきなど普通郵便で届くことはない。架空請求はこれまで「無視すればよい」とされてきたが、最近は、無視すれば支払い義務の生じる支払い督促などの訴訟を実際に起こされたケースが、数件あるという。支払い督促は本来、未払い賃金などの支払いを求めるための簡略化された手続きで、債権者の一方的な主張で行える。債務がなくても無視すれば債権者の主張が認められるため、特別送達が届いた場合は裁判所などに問い合わせる必要がある。
(西日本新聞) - 12月11日14時53分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041211-00000073-nnp-kyu