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2004年12月10日(金) 00時00分

フィブリノゲン、県内は77病院で納入朝日新聞・

 C型肝炎が発症する恐れがある血液製剤「フィブリノゲン」=キーワード参照=を納入した県内の病院数は77であることが9日、厚生労働省の発表でわかった。内訳は存続が61、廃院が14、不明が2。これを受け、県は県内9カ所の厚生センターなどに相談窓口を設置、うち4カ所のセンターで肝炎ウイルス検査を実施する。県は「過去に輸血や血液製剤の投与を受けた可能性のある人も含め、検査を受けてほしい」と呼びかけている。

 発表された病院は、フィブリノゲンの納入を担っている三菱ウェルファーマ社(旧ミドリ十字)が持っていた80年以降の納入リストに基づく。県内で納入された77病院では、外科や産婦人科などで、大量出血時の止血などの目的で使われた。

 県は過去に血液製剤の投与や92年以前に輸血を受けた人に、肝炎検査を受けるよう呼びかけている。しかし、医療機関にとっては、医師法でカルテの保管は5年間と定められており、20年以上前の投与の有無について、書類などで確認するのが難しいのが現状だ。

 県の担当者は「カルテはほとんどの医療機関で残っていないし、残っていたとしても、カルテで調べるには時間がかかる。投与の有無を確認するのは非常に難しい面もある」と話す。

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 富山市の県立中央病院では、84年4月以降のカルテを保管している。しかし、それ以前の記録は残っておらず、投与の実績を調べるのが難しい状態だ。

  同院は、旧ミドリ十字が「緊急安全性情報」で肝炎の危険性があることを医師らに知らせた88年6月まで、フィブリノゲンを投与していた可能性があるという。当時の医師らの記憶などによると、産科や外科などの手術での投与が考えられるという。現在は使用していない。

 同院はこれまで、フィブリノゲンによる肝炎感染が取りざたされるようになってから、医師らの記憶などを頼りに、投与の可能性のある患者に連絡、肝炎検査をすすめるなどしてきた。

 しかし、記憶にも限界がある。同院は「血液製剤や輸血を投与された経験のある患者からの問い合わせに答えていく方が有効的。具体的な対応については、今後検討していく」としている。

 富山市民病院では、83年10月以降のカルテを保管。88年6月以降は使用していない。また、同時期に使用をやめた高岡市民病院では、カルテは5年間保存で、当時の記録は残っていない。

 両院ともに「過去に輸血や血液製剤を投与した可能性のある人には、フィブリノゲンの投与にかかわらず、検査をすすめていく」としている。

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 県は9カ所の厚生センターで無料相談を受け付ける。また、新川、中部、高岡、砺波の4センターでは肝炎ウイルス検査(手数料2368円)も実施する。

 フィブリノゲンの製造工程では94年から肝炎ウイルスの不活性化処理が改善されたが、それ以前に投与された患者は、肝炎ウイルス感染の可能性が一般の人より高いと考えられる。このため、県は同年以前に治療を受け、妊娠中または出産時、手術時に大量の出血をした人などを対象に検査の受診を呼びかけている。

 問い合わせは県健康課保健予防係(076・444・3225)または県くすり政策課薬事係(076・444・3234)へ。

◆キーワード◆血液製剤「フィブリノゲン」=国内では旧ミドリ十字(現三菱ウェルファーマ社)が64年に承認を取得した。産婦人科や外科などでの止血薬のほか、臓器の接着効用があるため、「手術用接着剤」としても使用。数千人以上の血液を混ぜて作られる製剤で、提供血液に肝炎ウイルスが混入し、投与された患者が感染する恐れが指摘されていた。

 

(12/10)

http://mytown.asahi.com/toyama/news02.asp?kiji=5121