2004年12月06日(月) 22時24分

＜ソフトバンク＞楽天やライブドアと異なるヒアリング（毎日新聞）

　日本プロ野球組織（ＮＰＢ）は６日、ダイエーからの球団譲り受けを申請しているソフトバンク（本社・東京、孫正義社長）に対するヒアリングを都内のホテルで行った。ヒアリングは、孫社長の決意を聞くセレモニーにすぎなかった。２時間を予定していた質疑は１時間あまりで終わり、残りは自社の事業戦略を語る孫社長の独演会となった。
　もっともソフトバンクを不合格にすると、困るのはＮＰＢ側だ。ダイエーからソフトバンクへの球団譲渡は既定路線で、楽天かライブドアかを選んだ前回のヒアリングとは根本的に異なる。
　むしろ際立ったのは、各球団のＩＴ（情報技術）に対する期待感だ。
　ネットによる試合中継を試みている阪神は「（ソフトバンクが）仲間内であれば、ご相談できる」と歓迎し、終了後は「球界に新しい息吹を吹き込むだろうと感じた」（ロッテ）と称賛の声さえあった。
　球界再編の引き金となった球団の赤字問題で、既存球団には手詰まり感もある。球界全体にＩＴ待望論があり、孫社長の弁舌には、そうした思惑を見透かした、したたかさがあった。
　この日のヒアリングで、ソフトバンクが三顧の礼で球界に迎えられることが明確になった。今後は、孫社長が自ら描いた壮大な構想をどう実現するか、冷静な見極めが必要となる。【湯浅聡】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041206-00000113-mai-spo