2004年12月04日(土) 00時00分

間違った標識で取り締まり ７１人から反則金徴収 （東京新聞）

　県警交通規制課と交通指導課は三日、本来の規制内容と異なる効力のない標識を九年間取り付け、取り締まりを受けなくていい七十一人から約四十万円の反則金を徴収したと発表した。県警は反則金の返還や行政処分歴の抹消などをするとしているが、一部は資料がなく、誤って取り締まった人数が分からない期間もあるという。

■川崎の交差点

　現場は川崎市宮前区有馬二の市道交差点。一九八〇年十二月、大型車の直進以外を禁じるとして、直進以外の通行を禁止する本標識に大型車を示す補助標識を付けて設置した。だが、九五年十二月、規制内容変更の手続きをせずに全車両の右折を禁じる標識を設置。規制効力のない標識をもとに、右折車両を取り締まっていた。

　七十一人は九九年二月から今年九月までに取り締まられた人たちで、四人は三十日間の免許停止処分になった。九八年以前の取り締まり分は資料がなく、把握できないという。県警は今後、七十一人に連絡を取って反則金を返す。

　ミスが起きた原因について、県警は「当時の資料がなく、当時の担当職員に退職者もいるため、まだ詳細は分からない。ただ、現場の状況は右折禁止規制がふさわしい」としており、九五年に標識の補修を機に規制を見直した際、宮前署が県公安委員会へ変更申請しなかったためとみている。ミスは今年十月、付近住民からの「昔はトラックのマークが付いた標識だった」との指摘を受けて分かった。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20041204/lcl_____kgw_____001.shtml