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2004年12月01日(水) 00時00分

架空請求詐欺 浮かぶ組織的犯行朝日新聞・

 法務省の関連団体を装った全国的な架空請求詐欺事件で徳島東署は30日、住所不詳、無職田村慎也容疑者(25)を詐欺容疑で逮捕した。先に逮捕した現金引き出し役の2人に関する捜査で、詐欺グループは名簿入手、専用口座確保、引き出し、電話対応など担当を細かく分け、それぞれ仕事感覚で詐欺行為にかかわっていたことが判明。被害総額は1億円以上にのぼるとみられ、大がかりな組織的犯行の実態が浮かび上がってきている。

 調べでは、田村容疑者は福岡県在住の女性会社員(32)が架空請求に基づいて11月上旬に振り込んだ現金をだまし取った疑い。田村容疑者はグループ内で振り込まれた現金の引き出しを指示する立場だったという。同署は11月5日、引き出し役の2人を、さらに25日には同じ立場の東京都練馬区石神井町、無職沼崎祐太容疑者(21)をそれぞれ同容疑で逮捕している。

 これまでの調べでは、グループの引き出し役は約100口の預貯金口座を扱い、5〜10月の間、平日に1日平均約100万円の現金を引き出していた、と供述しているという。このため被害総額は1億数千万円にのぼると同署はみている。

 グループは「日本債権管理センター」や「法務省認可法人」など公的機関の関連を装う団体名を名乗り、全国に架空請求のはがきを送付し、巧みにだまして現金を振り込ませるという手口で犯行を重ねてきた。

 引き出し役のほか、個人情報の入手や、振り込ませるための預貯金口座の調達、はがきの作成と郵送、巧妙に振り込ませる電話対応、さらにはメンバーを増やすためのスカウトまで担当が分かれていたという。

 個人情報をインターネットや名簿業者の「闇ルート」で入手し、預貯金口座は闇金業者らが多重債務者に強制的につくらせ、売りさばいていたものを入手したらしい。

 逮捕された容疑者らは、パチンコ店などで勧誘されてグループに加わり、さらに友人を誘っていたという。「仕事」は平日だけで、スーツを着て新宿や渋谷を拠点にし、購入時の身分確認が甘いプリペイド式携帯電話で連絡を取り合い、指示を受けていたという。

 1日2万〜2万5千円の報酬を受け、組織化されていただけに、捜査幹部は「サラリーマン感覚で詐欺行為に加担していたのではないか」と話している。

(12/1)

http://mytown.asahi.com/tokushima/news02.asp?kiji=4573