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2004年12月01日(水) 16時14分

三重の女性不明から6年 「娘どこに」執念の捜索いまも朝日新聞

 三重県一志町の地域誌記者辻出(つじで)紀子さん(当時24)が行方不明になって24日で丸6年。両親は今も、県内あちこちを捜し続ける。不確かな情報に翻弄(ほんろう)されながら、「今度こそ」。期待しては落胆を繰り返す日々だった。

 行方不明になってちょうど6年の11月24日。両親や職場の仲間が同県伊勢市内のショッピングセンター2カ所で情報提供を呼びかけるチラシを配った。伊勢署員らも加わって配った計8000枚のチラシには、辻出さんの写真や不明当時の様子などが載っていた。

 ある夏。両親は同県伊勢市内の神社裏の沼を捜した。会社役員の父泰晴さん(57)が胸まであるゴム長をはいて沼に入った。母美千代さん(55)も舟に乗り、藻と泥だらけの沼底を網でさらった。ぐっと手応えがあった。「見つけたか?」。だが、違った。亀の甲羅だった。

 占い棒で温泉鉱脈の発見などをする、ダウジングのやり手を紹介され、伊勢−尾鷲方面を数カ月かけて一緒に回ったこともある。反応があると、スコップで掘り返した。重機を借りて掘ったこともたびたびだった。

 テレビ局の特番で、米国やポーランドの警察にも協力する海外の「超能力者」の助けを借りたことも。神社裏の捜索は、そんな「手がかり」に基づいて期待をかけた場所の一つだった。

 元々、超常現象を信じているわけではない。だが、県警の捜査に進展が見られない。紀子さんの知人や取材先など100を超す関係者にも自ら当たり尽くした。両親は「1%でも可能性があるなら」とどんな情報にもすがるようになった。

 「何カ所掘ったかわからない。雲をつかむようだった。よくあんなことをやってきたと思う」と泰晴さん。それでも続けるつもりだ。「とにかく紀子を見つけてやりたい」

 捜索を支援する人の輪は広がった。紀子さんが東南アジアの難民キャンプで撮った写真展が各地を巡回し、無事を願うCDもできた。

 美千代さんは10月末、名古屋市であった犯罪被害者自助グループの追悼集会に参加し、紀子さんの写真に語りかけた。

 「どういう形でもあなたを家に連れて帰りたい。元気な限り、捜し続けるつもりです」

       ◇

 辻出さんに関する情報は、伊勢署(0596・20・0110)へ。

(12/01 14:02)

http://www.asahi.com/national/update/1201/020.html