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2004年11月24日(水) 16時00分

井上伝蔵の写真、北見市に送る 49枚「研究に」−−孫の佐藤知行さん /北海道毎日新聞

 ◇映画「草の乱」主人公、秩父事件の首謀者
 ◇ゆかりの49枚「研究に」
 道内で上映中の映画「草の乱」(神山征二郎監督)の主人公で、秩父事件の首謀者、井上伝蔵(1854〜1918年)が33年間の逃亡生活の末、生涯を閉じた北見市に、伝蔵の孫の佐藤知行さん(77)=東京都足立区在住=が「伝蔵研究に役立ててほしい」とゆかりの写真49枚を貸し出した。同市史編さん室は「道内に伝蔵の写真は少なかっただけに、大変貴重な史料」として市民に公開する。【水戸和郎】
 伝蔵は1884(明治17)年、埼玉県秩父地方で増税にあえぐ農民が蜂起した秩父事件を主導した。欠席裁判で死刑判決を受け、86年に北海道に逃亡。伊藤房次郎の名前で親船町(現石狩市)で結婚。文具・小間物商を営み、2男3女に恵まれた。
 1912年、野付牛村(現北見市)に移り住んだ伝蔵は、腎臓病が悪化して札幌の病院に入院。死期を悟り、妻と長男に本名と事件のてんまつを明かし、「歴史の真実を伝えてほしい」との遺言を残して世を去った。
 草の乱は、伝蔵の波乱に満ちた生涯を史実に基づいて製作し、話題を集めている。ゆかりの地、北見では市を挙げて“伝蔵再評価”の機運が高まっていた。
 送られた49枚のうち、伝蔵本人が写っているのは▽20代後半〜30歳の肖像2枚▽親船町の俳句仲間と撮った写真▽死の直前に自宅病床で撮影された家族写真——の計4枚。三女の長男に当たる佐藤さんは「私の家には伝蔵の妻と長男が同居していた。写真館が撮影したものと思う」と話している。
 佐藤さんは今年6月、伝蔵の三男が1921年ころの野付牛の家並みや建物を描いた48ページのスケッチブックのカラーコピーも同室に提供している。
 「野付牛における井上伝蔵」と題する冊子を今年5月に発刊した田丸誠同室主幹は「冊子は中間報告。今回の写真を手がかりに、全体像をまとめたい」と話している。また、12月の同市の広報紙でも紹介する。

11月24日朝刊 
(毎日新聞) - 11月24日16時0分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041124-00000051-mailo-hok