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2004年11月23日(火) 20時51分

無抵抗イラク人射殺の詳細をネットで公表 米の撮影記者朝日新聞

 イラク中部ファルージャへの総攻撃で、米海兵隊員が無抵抗のイラク人を射殺した様子を撮影したフリーランス記者ケビン・サイト氏が22日、詳細をインターネット上で公表した。前日に米兵から治療を受けていたイラク人らが別の米兵に射殺されたことや、射殺された負傷者2人のほかに、新たに2人の負傷者が米兵に銃撃され、瀕死(ひんし)状態になった可能性があることなどを明らかにしている。

 サイト氏は米NBCテレビと契約してイラクで活動している。事件は11月13日、ファルージャのモスク(イスラム教礼拝所)で起きた。米兵が無抵抗のイラク人について「こいつ、死んだふりをしている」と叫んで射殺する場面を撮影。米軍はその兵士を離脱させ、戦争犯罪の疑いで捜査を進めている。

 カタールのアラビア語衛星テレビ、アルジャジーラは映像を繰り返し放映しており、アラブ諸国を中心に米兵の行動に対する反発がさらに強まっている。

 サイト氏は前日の12日にも現場のモスクに入っていた。戦闘で殺害された武装勢力10人の遺体のほかに、米海軍の衛生兵から包帯を巻かれるなどの治療を受けたイラク人5人がいた。負傷者は後日移送する予定で、その日はモスクに残された。

 同夜、武装勢力がモスクを再び占拠したとの情報があり、翌13日朝、海兵隊員に同行してモスクに向かうと、中にはすでに別の隊員がいた。

 その隊員は指で、イラク人らが中に5人いることを示した。サイト氏と駆けつけた隊員が「撃ったのか」と聞くと、「そうです」。「武装していたのか」と尋ねると、肩をすくめて否定した。

 モスクにいたイラク人ら5人は、前日に治療を受けた人々だった。1人はすでに射殺され、3人が銃撃を受けて血まみれで瀕死(ひんし)の状態にあった。残る1人だけは新たに撃たれた形跡がなく、前日と同じ毛布をかけられて横たわっていた。5人が武器を持っている様子はなかったという。

 サイト氏が、血を流しながら壁を背に座っていた老人と、その隣の男を撮影していると、隊員の1人が4、5メートルほど離れたところにいた別の負傷者に近づいた。「死んだふり」の言葉を叫んで射殺した後、「さあ、これで死んだ」と言った。隊員は撮影されていたことに後で気づき、「(あなたがいるのを)知りませんでした」と怖がるような様子で話したという。

 サイト氏は「あの兵士は、他の明らかに生きていた負傷者を脅威と感じず、なぜ、あのイラク人だけを射殺したのか。そのイラク人は呼吸以外、どんな動きもしていなかったのに」と記している。

 事件を捜査している米海兵隊は「体に爆弾を巻き付けたゲリラが、死んだふりをして兵士をおびき寄せ、攻撃することがある」と、米兵の行動について釈明している。(11/23 19:56)

http://www.asahi.com/international/update/1123/012.html