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2004年11月16日(火) 18時55分

「Firefox を広げよう」キャンペーンの成功には Apple ファンもたじたじjapan.internet.com

Mozilla の無償オープンソースブラウザ、Firefox のファンには、熱烈な Apple ファンも真っ青だ。開始から2か月も経たない同コミュニティの Spread Firefox(SFX)キャンペーンは、すでに参加型マーケティングの歴史にその名を残した。

米国時間9日(編集部注:2004年11月)の 正式版登場 以来、「1日あたり」100万件以上の Firefox ダウンロードも、2万5,000人以上の宣伝ボランティア登録も、約10万サイトによるボタンやバナーの掲載も、Blog や大手メディアでの露出も、『The New York Times』紙の全面広告掲載用に25万ドルの寄付を獲得したのも、SFX の成果だ。

非営利団体である Mozilla Foundation のチーフエンジニア、Chris Hofmann 氏からは、「夏には正式版の見通しが立ち、宣伝方法を模索し始めたが、エンジニア集団の非営利団体では手にあまる。そこで、『いつもの方法にしよう』ということで spreadfirefox.com サイトを構築して場所だけ開放し、アイデアを募った」との話を聞いた。

オープンソースマーケティング 、あるいはコネ頼りの何でもあり戦法とも呼べるこの手法は、AD:TECH のテーマにもなっており、「消費者コントロール」とも呼ばれる。呼び方や専門家の意見はともかく、その存在は現実であり、驚異的な成果を上げている。

(インターネットの)愛は最強

実際、軽さ、安定性、無限のカスタマイズ性など、Firefox は素晴らしいブラウザだ。オプションも豊富で、アドブロックや、サイト登録を回避する Bugmenot の搭載など、マーケターやパブリッシャにとって驚異だ。数百万人のファンにとって Firefox はヒーローだが、オープンソースであることだけがその理由ではない。ヒーローと言えば悪役がつきものだが、Firefox のそれは Microsoft の Internet Explorer (IE)だ。

「(IE は)多くの人を危険にさらす。Internet Explorer に不満を抱くユーザーは非常に多い。Microsoft は現在対策を取っていないが、以前からそれを要望する顧客への責任を果たしてほしい」(Hofmann 氏)

SFX、キャンペーン、Web サイトの話が出ると必ず、成功したHoward Dean 氏の草の根運動と比較されるが、それも諸般の理由から的確だろう。Hofmann 氏は、spreadfirefox.com が Dean 氏の Web サイトのコード(Civic Space ソフトウェアで開発)を実際に流用していることを明かす。大統領予備選中 Dean サイトを訪問した人なら機能の酷似に気づくだろう。

Dean 氏とのもうひとつの類似点が、「競争相手以外何でも」といったキャンペーンの風潮だ。Jupiter Research のアナリスト、 GaryStein氏 はこの話題に触れ、「集団をまとめるには共通の敵を作るのが最適だ」と語っている。

Haberman & Associates のアカウントディレクター、Rob Davis 氏も、IE の欠陥が原因でハードディスクが破壊され、Firefox を勧められた。そしてDavis 氏はそれに感謝してボランティアとなり、『New York Times』紙への広告掲載に向けた募金活動を考案した。

同氏は、「エキサイティングな2週間だった。反応がものすごく、当初10日で寄付者2,500人を目指したが、それを17時間で上回ってしまった。メッセージと一緒に掲載できる名前の数を数え直したほどだ」と話してくれた。

そして、最終的には1万人で落ち着いた。

この宣伝の目標は何だったのか? 「Spread Firefox コミュニティを代弁する[Mozilla]ファンデーションへの感謝であり、オープンソースを広めた世界中のデベロッパーに捧げる記念イベントだ。ダウンロードと試用を促進する目的も当然ある。シェアはここ2週間で3%も上昇した」と Davis 氏は語る。

もちろん、募金活動は宣伝にもなり、Firefox は、技術者だけでなく世界中の大手メディアにも注目されるようになった。

Davis 氏の職場でも、Volvo For Life Awards や Organic Valley Cooperative といった草の根応援キャンペーンを展開している。同氏は、さまざまなゲリラ戦略や草の根コンテンツ制作手法が評価される場となっていることも SFX の強みだと考えている。

同氏は MoveOn.org に言及し、「前回の選挙期間中に30秒 CM 制作コンテストが全米規模であり、Firefox でもこのモデルが使えると思った」、と語った。SFX サイトでは、キャンペーンのアイデアを提案し、それをメンバーが吟味した。ただ、「 Firefox で自分の写真を送ろう」といった構想は、面白味のない写真ばかりで大成功には至らなかった。

同サイトでは、メンバーが格付けを行ったり感想を述べられるが、その報酬は名誉だけだ。ポイント制度、アフィリエイトリンク、ブログの書き込み格付け、アートワーク提案、掲示板など、すべてが SFX 運動の拡大に役立つ。メンバーは、その多くがマーケティング専門家で、IM クライアント用の Firefox 版友だちアイコンや、パリダカ出場車両に貼付するステッカーなどを売り込んでいる。

Davis 氏は、「まだ始まったばかりだ。Dean 氏の選挙運動では、対等な集団の中の実力主義にみなが興奮した。素晴らしいのは、インターネット初となる平均的ユーザー用のオープンソースによるツール、2年以上経っても IE が解決できないセキュリティホールの痛み、人々がまとまる場所など、さまざまな要素がここに合流していることだ」と断言する。

「Firefox の興味の対象は、個人データでも、広告の配信でも、操作の追跡でもない。最高のブラウザを提供することだけだ。一方の Microsoft は、ユーザーを犠牲にして利益を得ることしか考えていない」(Davis 氏)

これらの声に耳を傾けているのは時間に余裕のあるマニアだけだと思うのは間違いだ。Davis 氏が寄付を求めると、Sun Microsystems の COO (最高業務執行責任者)、Jonathan Schwartz 氏がすぐに賛同して寄付した上、個人的に祝福のメールまで送ってきた。

Schwartz 氏は自身の Blog に SFX へのリンクを張り、「私も現実の世界の問題を解決する革新技術のために寄付したが、みなさんもいかがだろうか?」と書いている。

ブラウザは別として、spreadfirefox.com を訪れれば、次回の宣伝キャンペーンで使えるアイデアや着想をいくつか思いつくのではないだろうか。


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(japan.internet.com) - 11月16日18時55分更新

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