2004年11月11日(木) 16時01分

おれおれ詐欺、道内で相次ぐ　夕張と札幌で被害−−手口も巧妙化　／北海道（毎日新聞）

　◇夕張・札幌ともに交通事故の示談−−計４００万円
　◇「おれおれ詐欺と疑われると話が進まない」などと言葉巧みで、手口も巧妙化
　◇警察官役の他、保険会社の国選弁護人役、議員秘書役も電話口に
　夕張市内の無職の男性（６３）が１０日、警察官を名乗る男など３人から、長男が交通事故を起こしたとして電話で示談を持ち掛けられ、現金２００万円をだまし取られた。札幌市西区でも主婦（４８）が似たような手口で２００万円をだまし取られた。夕張、札幌西両署は、おれおれ詐欺事件とみて調べている。夕張の件は、相手側が「おれおれ詐欺と疑われると話が進まない。頭金を振り込むとか説明するように」と言葉巧みに指示しており、手口も巧妙化している。
　調べでは、同日午前１０時半ごろ、夕張市の男性宅に「交通事故を起こし、事情聴取を受けている」と、札幌市内の長男（３０）を装う男から電話が入り、警察官を名乗る別の男が「示談にしないと逮捕することになる。２８０万円が必要」と説明。さらに議員秘書という男も登場し「子供が事故で病院に行った。すぐ示談にしないと病院に行けない」と訴えた。
　男性は約１時間後、指定の郵便局口座に現金を振り込んだが、同日午後に長男と連絡が取れ、詐欺と判明。金は引き出された後だったという。
　西区の主婦は午前１０時半ごろ、長男（２２）を名乗る男から「事故を起こしてしまった」と電話を受けた。さらに警察官と保険会社の国選弁護人を名乗る男から「３歳の女の子が意識不明だ。業務上過失傷害容疑で４８時間拘束する。保釈金に２００万円が必要」と電話があった。主婦は、指定された銀行口座に現金２００万円を振り込んだ後、長男に確認した結果、うその電話と分かった。現金は既に引き落とされていた。【山田泰雄、水戸健一】

１１月１１日朝刊　

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041111-00000159-mailo-hok