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2004年11月06日(土) 00時00分

インターネット通信制高校・日野校長に聞く朝日新聞・

【この人に聞く】
 
日本初の株式会社によるインターネット通信制高校の校長
     日野 公三さん(45)
 

 全国初の認可を受けた株式会社による通信制高校「美川特区アットマーク国際高校」が10月、美川町に開校した。インターネットを使った「授業」や担任役のプライベートコーチとの昼夜を問わないメールのやり取りなどが特徴だ。当面、高校中退者や転入希望生に限って入学を受け入れており、生徒数は現在52人。運営会社のアットマーク・ラーニング社の社長で、同校長の日野公三さんに始めるきっかけや思い、将来の夢などを聞いた。

−−どんな生徒たちが入学していますか
  
  どの子も学習意欲が高く、目が輝いている。転校したり、高校を中退したりした子供たちは、人間関係の閉塞感や生活面など周りの環境があわなくてつまずいたケースが多い。だから、プライベートコーチの役割が大きい。通信制では継続した関係が必要で、メールや携帯電話などを通じて、「コーチや学校と常につながっている」「いつも学習や生活の様子などを見ているよ」と働きかけることが必要だ。

−−学校をつくろうと思ったきっかけは

  94年に神奈川県が出資したパソコン通信事業会社の取締役になったが、同社が運営する電子会議室に「不登校サロン」があった。97年に日本海で座礁したタンカーナホトカについて、子供たちが電子会議で油をすくい取るボランティアについて話し合っていた。「熱心に議論するなあ」と感心した。また、横浜市で小学校教諭をしている配偶者から学校の現状を聞いていた。私自身、中2の時に担任が嫌いで2カ月間不登校だった経験もあり、教育についての関心がどんどん大きくなった。

  当時、米国では、インターネットの可能性が広がっていた。会社の研修も一つの部屋に集めるのではなく、日常の仕事をしながら、ネットで個別研修を受けていた。ネットを使ったホームスクールも定着し、不登校はゼロだといわれたことも衝撃だった。日本でも必ず広がると確信した。

−−「株式会社はもうけ主義だ」という声もありますが  

  最初はどうすれば学校法人を設立できるか知らなかった。会社なら簡単につくることができる。00年に無認可校を設立する記者発表で、「授業料を支払っていただく」と言ってしまい批判を受けた。教育の世界では「支払う」ではなく、「納付」。「そんな言葉を使うなら信用しない」とまで言われた。言葉一つでも誤解を与える。「利益第一じゃない」とわかってもらうよう何十年かけても努力しなければいけない、と感じた。

−−特区の高校として認可を受けようと思った理由は  

  無認可校をつくったとき、大学入試の規制緩和がかなり早く進むと想定していた。しかし、100以上の大学を回ったが、約10の大学しか受験資格を認めてもらえなかった。大学入試さえ受けさせてもらえないとなると、学習意欲の高い生徒や保護者から不信感をもたれることにもつながる。

  そんなとき、学校認可の規制が緩和される特区の話を聞いて挑戦しようとなり、30ぐらいの自治体を回ったが、美川町が一番積極的だった。KDDIの光ケーブルの専用線があるというインフラの面の長所もあった。

−−将来は?  

  北陸3県を中心に、何かあればその日のうちに子供と会える通学拠点をつくりたい。また、個別対応を進めたい。生徒が課題をみつけると、誰から話を聞けばいいのかや、数年前に同じ課題を勉強した先輩の情報がわかるようなネットのシステムをつくりたい。

  入学式で生徒に入学許可書を渡した。民間会社の感覚では、入学許可ではなく、契約の締結で、どちらがいいのか学内で議論した。従来の学校にようにやるのがいいのか、民間会社として新しい学校運営をするのか悩むことは多い。いずれにしても立つ位置を生徒において考えようと思う。

(聞き手・萬田英伸)
 

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 ひの・こうぞう 59年、愛媛県生まれ。86年にリクルート入社。99年、インターネットを使った在宅学習を支援するアットマーク・ラーニング社設立し、00年に無認可のネットスクール「アットマーク・インターハイスクール」を、今年10月に認可の通信制高校「美川特区アットマーク国際高校」を開校させた。(11/6)

http://mytown.asahi.com/ishikawa/news01.asp?kiji=8154