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2004年11月06日(土) 10時49分

<架空請求>簡裁の法制度など悪用相次ぐ、放置すると有効に毎日新聞

 出会い系サイトなどの利用料支払いの架空請求で、簡易裁判所の「支払督促制度」や「少額訴訟」を悪用した新たな手口が相次いでいる。異議申し立てなどをせずに放っておくと、架空請求でも有効となる恐れがある。国民生活センターは「必ず裁判所に確認した上で、専門家に相談して」と注意を呼びかけている。
 支払督促は民事訴訟法上の手続きで、債権者が簡易裁判所に申し立て、債務者に金銭の支払いを求める制度。
 簡易裁判所は債務者の言い分を聞かずに督促の書類を作る。債務者が書類を受け取って2週間以内に異議を申し立てないと、債権者は新たに裁判所に「仮執行宣言付の支払督促」を申し立てる。その後、裁判所から債務者に書類が送られ、異議申し立てをしないと、2週間後に債権が確定してしまう。ただ、確定しても債務者は「請求異議」の訴えは起こせる。
 センターに寄せられた支払督促の相談は、8月に裁判所の書式を偽造した請求が2件、9月以降は、正式な裁判所の手続きを踏んだ請求が3件あり、いずれも未遂で終わっている。
 20代の女性は、夫あてに出会い系サイトの利用料金19万円を請求する書類が裁判所から送られてきた。夫は「請求業者のサイトは使っていない」と異議申し立てをした。その後、業者側が裁判に必要な手数料を払わなかったため、請求が却下された。
 また、少額訴訟は60万円以下の金銭支払いを請求する簡易裁判所の手続きで、原則として1回の審理で判決が出る。被告が最初の口頭弁論に出席せず、請求内容を争う書類も提出しないと、請求通りの判決が出る。
 今年4月、20代の男性会社員は出会い系サイト運営業者から、携帯電話でサイトを利用したと料金の支払いを求めて、少額訴訟を起こされた。男性は異議を申し立て、簡裁から地裁に移され審理されることになり、業者は訴えを取り下げた。同センターにはこのほか、同様の相談が6件あった。
 消費者問題に詳しい瀬戸和宏弁護士は「これまでの架空請求は放置すればよかった。しかし、裁判所の手続きを悪用した手口の場合は正反対で、たとえ身に覚えがなくても、制度にのっとった手続きを踏まねばならない」と話している。【遠藤和行】
(毎日新聞) - 11月6日10時49分更新

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