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2004年10月20日(水) 16時40分

本家『スパム』博物館——迷惑メールと肉の缶詰の関係(下)WIRED

  http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20041019207.html (10/19から続く)

 スパム博物館では、ホーメル社の自社製品に対する誇りだけでなく、ユーモアのセンスもはっきりと見て取れる。同社は自らの豚肉製品を遠慮なく冗談の種にしながら、大勢の人に愛される優れた食品だという点も強調している。

 同博物館では、スパムの愛好者がこの製品に寄せる強い愛情をインタビュー形式で語る10分間の短編映画『スパム……ある愛の物語』を上映している。また、第2次世界大戦の兵士が、毎食出てくるスパムに愚痴をこぼすアニメの展示もある。当時、ホーメル社はすべての兵士が3食きちんと食べられるように、大量のスパムを出荷していたのだ。

  http://www.wired.com/news/images/0,2334,65167-15092,00.html 第2次世界大戦のコーナー(写真)では、兵士に出されたメニューを読み上げる「揚げスパム、茹でスパム、スパムのチーズソースかけ、スパム添え目玉焼き、スパムのびっくりメニュー」というテープ音声が繰り返し流されている。

 同コーナーには、スパムが兵士の食料となり、健康維持に貢献したことを称える当時のアイゼンハワー大統領からの感謝状のほか、第2次大戦当時のホーメル社のマスコットで、爆弾を投げる豚の姿をした『スラミング・スパミー』の画像も展示されている。

 「当館を訪れた第2次世界大戦の退役軍人が、帰郷後数年間はスパムの缶を見るのも嫌だったと話していた。戦地ではすぐにスパムが嫌いになったが、食べられるものがあるだけでも感謝しなければいけないと指揮官に言われたそうだ。それ以前の戦争では、賞味期限の長い食品がなく、兵士は食糧不足に苦しむことが多かった」と、ラドフォード館長は説明する。

 同博物館では、ハム[アマチュア無線]の愛好者を称えて、アマチュア無線局も稼動中だ。また、来館者がスパムの製造を体験したり、青い缶に収められたその中身について学べる http://www.wired.com/news/images/0,2334,65167-15098,00.html 缶詰工場(写真)も設置されている(ラドフォード館長は「人々が変に勘ぐるようなものは入っていない」と語る)。

 「スパムは、アップルパイやホットドッグと並んで、アメリカンフードの象徴となっている」とラドフォード館長は話す。

 スパムを使ってもっと目新しい料理を作りたいと思うのなら、 http://www.wired.com/news/images/0,2334,65167-15096,00.html 『シェ・スパム』コーナー(写真)に行けば、一流シェフの考えた料理のアイディアを教えてもらえる(スパムとトロピカルフルーツのマリネはいかが? スパムと野菜の炒め物だって、けっこういけるかもしれない)。さらには、 http://www.wired.com/news/images/0,2334,65167-15094,00.html スパムが大量に消費されている場所を示す世界地図(写真)まで展示されている。米国の中ではハワイ州がトップで、アーカンソー州、アラスカ州、テキサス州と続く。グアム島も消費量が多い。

 ところで、ここまでの説明をちゃんと覚えているだろうか? ぜひそうであってほしい。というのも、最後に訪れるコーナーでは『スパム試験』が行なわれ、スパムに関する俗説や歴史、その他の雑学について質問されるからだ。スパムには詳しいと思っている人でも、自分はまだまだだと思い知らされることを覚悟しておいたほうがいい。

 スパムに圧倒された来館者は、博物館を出るところで1台のテレビを目にする。そこでは、イギリスのコメディー・グループ、モンティ・パイソンがバイキングの格好をして楽しそうに「スパム、スパム、スパム」と大声で合唱し、だんだん大きくなるその歌声が最後にはすべての会話をかき消してしまうという、1970年代の有名なコント映像を繰り返し流している。

 このコントこそ、迷惑メールがスパムと呼ばれるようになった原因だ。絶え間なく送りつけられる大量の広告メールが、インターネット上で交わされるまともな会話をかき消すさまを、このコントになぞらえたのだ。

 そしてもちろん、博物館には http://www.wired.com/news/images/0,2334,65167-15102,00.html スパムのギフトショップ(写真)がある。「買物を楽しんでもらえるよう、300点以上の商品を用意している」と、ラドフォード館長は説明する。

 来館者の一般的な反応についてラドフォード館長に尋ねると、「最初ここへきたときには、ほとんどの人が、スパム博物館に来るなんて思ってもいなかったと言う。何でこんなところに来たのだろうと困惑しているのだ。入館料が無料でなければ、ほとんど誰も来ないだろう」と答えた。

 「しかし帰る時には、ほとんどの場合、みんなどれほど楽しかったかを話してくれる。モンティ・パイソンのようにスパムの歌いながら帰る人も大勢いる」と、ラドフォード館長は語った。

 (ワイアード・ニュース記者のミシェル・デリオと写真家のラズロ・パタキは、ミシシッピ川に沿って、ミネソタ州からルイジアナ州まで米国の中央部を縦断するグレート・リバー・ロードを南下しながらギークを探す、4週間の旅の途中だ。2人が訪問したほうがいいと思うお勧めの場所や人物、道沿いでぜひ見て欲しいもの、チリ味のハンバーガーやバーベキュー、オクラシチュー、ゆでたザリガニなどが食べられるいい場所を知っていたら、 mailto:wiredroadtrip@earthlink.net wiredroadtrip@earthlink.netまでメールで知らせてほしい。)

[日本語版:山本陽一/長谷 睦]

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(WIRED) - 10月20日16時40分更新

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