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2004年10月18日(月) 13時41分

おれおれ詐欺、乙訓でも急増 向日町署管内で被害件数18件京都新聞

利用客に「おれおれ詐欺」への注意を呼びかけるステッカー(京都府長岡京市内の銀行のATMコーナー)    身内や警察官などを装って電話をかけ、現金をだまし取る「おれおれ詐欺」が後を絶たない。京都府の向日町署管内では、今年1−8月の被害件数は18件(うち未遂7件)、総額約1455万円に上る。10月に入って30代の主婦が950万円を振り込まされるなど高額被害も相次いでおり、同署は「自分は大丈夫、との思いが危ない」と警戒を呼びかけている。
 昨年1年間の7件、総額約715万円の被害と比べるとその急増ぶりが際立つ。高齢者が標的にされた被害者の年齢層も広がった。最近は交通事故の仲介役として警察官を装う手口を中心に、保険会社の社員など他の人物や状況をもっともらしく設定、孫や息子を思う心理につけ込むなど悪質さや巧妙さを増している。
 今月10日昼、京都市西京区の主婦(57)方に、京都府警の警察官を名乗る男から電話があった。「息子さんが車で接触事故を起こし、相手の車に乗った妊娠8カ月の奥さんが破水して、病院に運ばれた」。その後、受話器の向こうで息子役が泣き崩れた。
 続いて妊婦の夫を装う男が登場した後、警官役が「息子さんが全面的に悪く、事前示談しないと交通刑務所に行くことになる。手術費、入院費用で499万円をすぐに振り込んで」と要求。さらに「息子さんは拘束中で連絡はとれない」「守秘義務がありだれにも相談しないで」「振り込む前に携帯に連絡するように」などと畳みかけた。
 主婦は犯人側の巧みな話術に、「気が動転し冷静な判断力を失った」と振り返る。近くの銀行のATM(現金自動預払機)から相手が指定した口座番号に振り込む直前、「おかしいと思い、われに返った」と話す。会社にいた息子と連絡を取り、事故はうそだったことが分かった。「『何とかしてやらないと』との気持ちが先に立ち、信用してしまった」という。
 一方、長岡京市の30代の主婦は同様の手口にだまされ、950万円を送金した。届けを受けた警察が振込先の銀行に口座凍結を要請したが、すでに630万円が引き出されていた。
 急増の背景には、犯人の摘発が難しいという事情がある。指定される銀行などの口座の多くが不正に譲渡・売買されており、匿名で申し込まれたプリペイド式の携帯電話が使われる。被害を未然に防ごうと、向日町署は管内の金融機関に被害状況を速報したり、利用客への目配りを求めるなど連携を強化している。金融機関も、ATMの付近にステッカーを張って注意を促すほか、新規の口座開設客にも新たなチェック項目を設け始めた。
 「警察官が交通事故などの示談を持ちかけることは決してない」。同署の芝原稔副署長は強調し、「不審な電話があれば、1人で判断せず周りの人や警察にすぐ相談して」と呼び掛けている。
(京都新聞) - 10月18日13時41分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041018-00000018-kyt-l26