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2004年10月16日(土) 00時00分

集団連鎖の背景…男女9人同時ネット心中ZAKZAK

希薄な人間関係「仲間と錯覚」

 女性2人は今月5日にも、東京・奥多摩でインターネットで知り合った女性2人と一緒に、テント内で睡眠薬を飲み、しちりんで練炭をたいて自殺を図っているのを警察官が発見、保護されたばかりだった。


ワゴン車がとめられていた駐車場には、煉炭をおこした丸い焦げ跡もあった 精神科医で常楽診療所の日向野春総所長は「一度未遂に終わると、次は怖くなって一人ではできなくなる。そこで集団でやろう、という考えになる」と指摘。今回自殺したほかの男女7人もこれまでに何らかの自殺未遂を起こしていた可能性が高いという。

 今回、自殺した男女9人は、それぞれ「ちょっと出かけてくる」「メル友に会いに行く」などと、自殺をほのめかす言葉もなく出かけていた。彼らの心理を日向野所長は「ネットで知り合った人同士で、バーチャル(仮想)と現実との区別がつかなくなって、後ろめたさも深刻さもなく、現実感なく『気軽に』命を捨ててしまう」と話す。

 集団自殺をするような人は、「フリーターなど人間関係、家族関係が希薄で、カベにぶつかっても相談相手もいない人が多い。じっくり話し合う機会もないまま、ネットを通じた“仲間”とは、心の秘密を語り合ったと錯覚し、あっけなく自殺に走る」という。

 皆野町では先月28日にも、ネットで知り合った男女4人が、同様の方法で自殺しているのが見つかるなど、インターネットで相手を募集して行われる集団自殺が全国各地であとを絶たない。

 識者からはこうした「有害情報」に対する規制を求める声も出ている。しかし、日向野所長は「ちょっと悩むと、簡単に生きることをほうり出す風潮自体が危険であり、ネットを規制しても意味はない」と、現代の“流行病”であると指摘した。

ZAKZAK 2004/10/16

http://www.zakzak.co.jp/top/2004_10/t2004101607.html