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2004年10月15日(金) 00時00分

カモ肉偽装 業界慣習が背景朝日新聞・

  輸入カモ肉を国産の高級なカモ肉と偽って販売したとして、河北町の加工販売業者「エフエスかほく」(現・フレッシュバルバリー)の前社長佐藤文夫容疑者(46)が詐欺などの疑いで逮捕された事件で、同社の取引業者のなかに、「欠品」が出た場合にペナルティーを課す契約を結んでいた業者があったことが分かった。捜査当局は、こうした業界の商慣習が偽装の背景の一つにあったと見ている。

  仙台地検は勾留(こう・りゅう)満期の15日にも、佐藤容疑者を詐欺罪で起訴する見通し。

  調べによると、同社は、事前に契約しただけの量のカモ肉を納品できなかった場合、足りない数量の相当額を賠償すると定めた契約を、複数の業者と結んでいたという。

  このため、同社では、供給が追いつかなくなる年末を中心に、冷凍輸入肉を順次解凍し、国産と偽装して出荷を続けていた。佐藤容疑者は「国産が足りない分を、偽装で補った」と供述しているという。

  こうした契約の相手業者の一つは「生ものを扱っている以上、欠品した事情を納得できれば、損害賠償を請求することはない。ただ、生産業者が、プレッシャーに感じることはあるかもしれない」と話す。

  今回の事件の問題点は、消費者が食品選びの際に頼ることになるラベルの偽装に及んだことだ。しかし、一連の捜査の中では、偽装表示に対して食肉業界の不正認識が希薄であることも浮き彫りになった。

  佐藤容疑者は逮捕当初、調べに対し、「偽装表示は詐欺にあたるのか」と供述したという。

  また、納入先の業者の一部には「自社が経済的な損害を被ったわけではない」などとして、被害届の提出に慎重だったところもあった。

  取引業者の多くは、疑惑発覚後、スーパーなどの得意先に対しては、文書などで事実関係を説明した。関西地方のある業者は「最終的な消費者への説明が不十分だった」として、近く自社のホームページで経緯を公表する予定だが、消費者に責任を果たそうという動きは、まだ少ないようだ。

(10/15)

http://mytown.asahi.com/miyagi/news02.asp?kiji=5854