2004年10月13日(水) 00時00分

子を持つ親にはなんともやりきれないニュースが続く。先月二十… （東京新聞）

　子を持つ親にはなんともやりきれないニュースが続く。先月二十八日、男女四人がネット自殺した埼玉県皆野町で十二日朝、今度は男女七人がやはり乗用車の中で練炭を使って自殺しているのが見つかった。同じころ、神奈川県横須賀市では同様に女性が二人自殺。関連があるらしい▼警察庁によると、ネット自殺は昨年と今年上半期までで十七件、四十五人にもなる。いずれもインターネットで知り合った他人同士。若者が死ぬためだけに集まり、いとも簡単に命を絶つ▼評論家の芹沢俊介さんは男女の心中でもなければ、友人同士でもない。単なる「集合自殺」でしかないと嘆く。親や周りの大人が、命を捨てようという若者に何一つ手を差し伸べてやれない。それが悔しい▼横須賀の女性二人は、「これは二人で計画しました。事件ではありません」と親と警察あての遺書を残していた。このうちの一人が今月五日、東京都奥多摩町でほかの三人と自殺未遂を起こしていた。この時生き残った女性一人が今回、皆野町の七人に含まれており、警察が関連を調べている▼先月末、皆野町で死んだ四人のうちの一人、名古屋市の少年（１７）は死の直前、知人の女性に「すぐ死ぬって話になるとは思わなかった」と泣きながら電話をかけていた。女性は「今からでも遅くないから山を下りれば」と言ったが、少年は「でもほかの皆に悪いし」▼発見された時、四人はおもちゃの手錠で右手をハンドルや金具に固定していたが、少年の手錠だけははずれていた。最後まで迷っていたのなら哀れだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20041013/col_____hissen__000.shtml