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2004年10月09日(土) 00時00分

パソコン教育 遅れ気味です/県内小学校パソコンを使った学習に取り組む児童たち=山口市吉敷の良城小学校提供朝日新聞・

  県内小学校のパソコン教育がハード、ソフトの両面で全国的に遅れていることが、文部科学省の03年度実態調査で分かった。1台あたりの児童数は39位、教育用ソフトなどを使って授業が出来る教員の割合も38位と低い。市町村間でばらつきはあるが、学校関係者の間には「まずは教員が努力すべきだ」と指摘する声もある。

(吉野伸英)



  調査結果によると、パソコン1台あたりの児童数は12・3人で、1位の富山、香川両県(6・9人)と大差が付いた。教室への校内LAN(一定地域内の情報通信網)整備率は27・2%で全国31位。パソコンの教育用ソフトや、パソコンと連動したプロジェクター(画像表示機)を使って授業が出来る教員の割合は65・6%で同38位だった。文科省が指標とする「おおむねすべての教員」には、ほど遠い状況だ。

  中学校は1台あたりの生徒数が6・6人(全国13位)、高校は4・7人(同6位)と小学校の遅れが目立つ。なぜか。県教委は「中学・高校にはパソコンを必要とする教科があり、市町村が整備を優先させているため」と理由を説明する。

  自治体間の格差も目立つ。下関市の小学校は1台あたりの児童数が30・2人で、県内で最も遅れている。市内のある小学校では「図書館のパソコン6台で授業をしても、1人が触れる時間はごくわずかだ」と話す。

  一方、柳井市は8月の大量導入で、昨年度1台あたり7・1人が4・6人に改善された。同市教委は「インターネットを通して市内の教員や児童らが交流するなど可能性が広がった」という。

  文科省は05年度までに小中学校で1台あたり5・4人を目指す。県教委は遅れが目立つ市町村に働きかける方針だが「各自治体の予算措置に異は唱えられない」という現実がある。また、同僚にパソコンを指導できる教員(校内リーダー)の養成を進める方針だ。

  独自に情報教育に力を入れる小学校もある。山口市の良城小は児童数1029人と県内最大級のマンモス校。県内に少ない情報教育担当の専科教員、古屋圭宣(よしちか)教諭(32)と前任者の河畑格致(のりよし)教諭(42)の2人が情報教育の中心だ。

  専科教員はクラス担任をせず、4〜6年生に週1回、パソコンを使って授業をする。当初は15台だったが、現在は最新の約40台が視聴覚教室に並ぶ。この教室を計画的に使い、4年生で操作の基礎を集中学習する。

  「一から七くらいまで教えると、後は子供たちが自分なりの使い方を模索し始める」と河畑さん。5〜6年生になると、インターネットやデジタルカメラを駆使し、プレゼンテーション(発表)もこなせるという。

  古屋さんは「日常的にパソコンを使わないと、学習の成果は上がらない」。河畑さんは「たとえ設備が乏しくても、教員が積極的に活用すれば成果は出る。そうなれば、自治体もパソコン整備に力を入れてくれるはずだ」と話している。

(10/9)

http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news01.asp?kiji=4573