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2004年10月08日(金) 23時12分

三菱自バス座席欠陥、人身事故15件 公表避けヤミ改修朝日新聞

 三菱自動車製バスの座席が倒れて乗客がけがをする事故が、6日までに計15件発生し、少なくとも乗客24人がけがをしていたことが8日、三菱ふそうトラック・バスの調べなどでわかった。調査は途中で、事故件数、負傷者数ともに増える可能性がある。三菱ふそうによると、この欠陥では93年に苦情が寄せられ、00年には一度に4人が負傷する事故が起きていたが、三菱側は事故の情報を公開せず、その後も同種の人身事故が相次ぐ結果になった。

 三菱ふそうは、一連の三菱欠陥車事件で元役員らが逮捕された後の今年6月、座席の欠陥を初めて明らかにしてリコール(無償回収・修理)を表明。その際、過去の人身事故は5件、負傷者は計6人と発表した。いずれも急ブレーキの衝撃で、非常口横の可倒式座席が座席を床に固定する金具の不良から前に倒れ、乗客が投げ出されたり、前の座席との間に挟まれたりするなどして起きた事故だとした。

 ところがリコールが進まないうちに新たな事故が発生。精査した結果、過去により多くの事故が起きていたこともわかった、という。

 欠陥公表後に起きた人身事故は2件。9月9日に青森県むつ市で女性3人が、今月6日には大阪市で女性2人が、いずれも顔面を打撲するなどしていた。

 公表前の人身事故は5件から13件になった。

 三菱ふそうによると、記録が残る最初の不具合情報は93年11月、大分県内のバス会社から寄せられ、「座席が前に転倒する」との内容だった。

 00年3月には北海道旭川市で路線バスの非常口横の座席と対面する座席に座っていた女性計4人が負傷する人身事故が発生。その後も01年11月には兵庫県伊丹市内で乗客2人が、02年10月にも宮崎県日向市内で遠足帰りの小学5年生が負傷するなど、座席の欠陥による事故は毎年発生した。しかし当時、三菱側はいずれの事故も公表せず、無届けで修理する違法な「ヤミ改修」などで対応していたという。

 同社は今年9月22日にリコールを届け出たが、座席を固定する金具の調達が遅れており、実際に修理が始まるのは今月中旬になる見込みだ。

 8日に記者会見した同社の塩沢秀幸・品質技術本部長は会見冒頭、「混乱を招いている」と改めて謝罪した。事故が多発したことについては「有効な手立てを取らないまま放置しており、安全への意識があまりに低かった」と説明、欠陥公表後も事故が起きたことについては「バス事業者への危険性の周知が不十分だった」と、同社側の度重なる不手際を認めた。

(10/08 23:12)

http://www.asahi.com/national/update/1008/021.html