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2004年10月05日(火) 02時38分

「盗撮団」卑劣な手口、ネット助長 裁判官「ふざけるな!と言いたくなる」産経新聞

「報告会」と称し写真見せ合い
 「見張り」など役割を分担。「報告会」と称して盗撮写真を見せ合う−。インターネットで知り合い、集団で女性のスカート内を盗撮した「盗撮団」の卑劣な手口が、東京地裁(合田悦三裁判官)で開かれた刑事裁判で明らかになった。一連の行動は、裁判官も「『ふざけるな!』と言いたくなる」と声を荒らげたほど。集団心理やネット社会がもたらす罪の認識の低さが、浮き彫りになった。(広瀬一雄)
≪集団盗撮≫
 今年三月、埼玉県川口市内の携帯電話販売店で女性店員のスカート内をデジタルカメラで隠し撮りしたとして、同県迷惑防止条例違反罪などに問われたのは、愛知県や東京都に住む二十七歳から四十五歳までの男性計六被告。リーダー格だった東京都内の男性(三九)は、懲役一年六月、執行猶予五年(保護観察処分付)が確定。他の三被告には、懲役一年、執行猶予四年が言い渡された。
 判決などによると、六被告はネット上の盗撮専門サイトで知り合い、メールで連絡を取って「盗撮会」と称して集団盗撮に及んだ。一人が店員に話しかけ、その間に他の被告が隠し撮りする方法で、交代しながら全員が隠し撮りをした。
 公判で、検察官は「女性をあまりにもばかにしていないか」と厳しく非難。盗撮している被告を他の被告が撮影している写真も証拠提出され、合田裁判官も「『ふざけるな!』と言いたいね」と声を荒らげた。
≪意識の低さ≫
 大半の被告が罪を認めた。弁護人から「あなたの両親や兄弟にも迷惑をかけた。お父さんは入院したそうだね」と言われ、涙ぐむ被告もいた。
 一方、別の被告(三五)は同種事案で三回も罰金刑を受けており、児童買春の罪で執行猶予中の被告(四五)も。この被告は児童買春の刑事裁判で「二度と起こさないことを誓う」。別の被告は「そのときは楽しく、やめられなかった」と述べた。
 盗撮専門サイトには、逮捕された際の取り調べの様子などが書き込まれ、“情報交換”していたものもあった。
≪被害女性を中傷≫
 六人は互いを「キング」「ベッカム」などのハンドルネームで呼び合い、ある被告(三一)はサイトに「お姉さんが早く撮ってと言わんばかり…」「商品の説明をする彼女がいじらしい…」などと書き込み、被害女性を中傷していた。
 自ら有料の盗撮サイトを開き、「収入源」としていた被告もいるなど匿名性をはじめとするネット世界が最大限に悪用された形だ。
 法政大の稲増龍夫教授(メディア文化論)の話「社会背景や住居が違う人が、趣味だけでつながるというネット社会を象徴する犯罪。全面規制はいけないが、行政側の規制はいつも後追いばかりで、こういう摘発例の積み重ねが重要だ」
(産経新聞) - 10月5日2時38分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041005-00000019-san-soci