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2004年09月30日(木) 00時00分

三菱自元部長ら無罪主張 タイヤ脱落母子死傷 『ハブ欠陥認識ない』 東京新聞

 三菱自動車工業(三菱ふそうトラック・バスに分社)製大型車のハブの欠陥によるタイヤ脱落事故で、業務上過失致死傷の罪に問われた同社元市場品質部長村川洋(58)、元同部グループ長三木広俊(56)両被告の初公判が三十日、横浜地裁(小倉正三裁判長)で開かれ、両被告とも「私には過失はなかった」と無罪を主張した。 

 罪状認否で村川被告は「当時、ハブが強度不足との認識はなかった。ハブ破損について具体的な報告もなく、事故は全く予想できなかった」と起訴事実を否認。三木被告も「(一九九九年六月の)高速バスの事故まで、ハブの不具合は二件しか認識していなかった。整備不良が原因と理解しており、トラックについて改善措置を講じる権限もなかった」と述べた。

 検察側は冒頭陳述で「ハブの輪切り破断事故の原因を強度不足と疑いつつ、リコール(無料の回収・修理)を避けるため、事故原因調査を全く実施していない段階だったのに、整備不良に起因する異常摩耗が原因とのストーリーで報告書をまとめることを対策会議で打ち合わせた」と指摘した。

 弁護側は意見陳述で「事故の予見可能性もなく、結果回避のための義務も尽くしていた。被告の行為と死亡などの結果との因果関係も認められない」と反論した。

 起訴状によると、同社の大型車は走行中のハブ破損が九九年八月までに十数件あり、同年六月に広島県で起きた高速バスのタイヤ脱落について国から調査報告を求められた。だが両被告は「多発性はないので処置は不要」と虚偽報告し、リコールなどの改善措置をせず二〇〇二年一月、横浜市で脱落タイヤによる母子三人死傷事故を引き起こした。

 同社の欠陥車をめぐる三つの裁判のうち、既に道路運送車両法違反(虚偽報告)の罪に問われた三菱ふそう前会長宇佐美隆被告(64)の審理が横浜簡裁で始まっている。来月六日には、クラッチ系統の欠陥による山口県の運転手死亡事故で、業務上過失致死罪に問われた三菱自元社長河添克彦被告(68)ら四被告の初公判が横浜地裁で開かれる。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040930/eve_____sya_____000.shtml