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2004年09月24日(金) 00時00分

無認可共済の法規制難航 金融審で検討 多様な形態分類が壁に 東京新聞

 金融審議会(首相の諮問機関)が、規制する法律がなく加入者とのトラブルが増加している「無認可共済」の法規制を検討している。顧客幅を広げている大規模団体を中心に、保険業法かそれに準じる基準で何らかの規制をかける方向だが、組織形態が多様なため取りまとめが難しく、具体的な規制方針をめぐる意見集約が難航している。 (安藤美由紀)

 無認可共済は近年、自動車のロードサービスやボランティア団体への加入を条件に事実上、保険会社と同じように、不特定多数に保険に似た商品を販売する組織が増えている。割安な価格などが売り物になっているが、中には勧誘実績に応じてリベートを受け取るマルチ商法的な手法で会員を増やしている組織もある。金融庁や国民生活センターには苦情、問い合わせも増えているが、法規制がないため手が出せないのが実情だ。

 このため金融審は今年四月から、保険作業部会で規制の方向性を議論してきた。今月二十一日に(1)何らかの規制を行う(2)小規模団体は除く−の二点で意見が一致した。来月の同審議会第二部会で報告。その後は同部会で、団体への聞き取り調査などを行い、論点を具体化する。

 規制の方向性があいまいなままになったのは、無認可共済の規模や事業実態が多様で、ひとくくりに規制しにくい実態がある。作業部会では「保険と類似商品を売っているのだから保険業法で取りまとめるべきだ」という声もあったが、少数意見だった。

 一方、別の法規制を設けることについても、積極的に評価する意見と「保険会社や、法規制を受けているJA共済など既存組織と異なる新たな業態を認めることになり消費者が混乱する」という消極的な意見が対立、明快な結論はなかった。

 このため大まかな原則として、契約者数が一定人数以上で、規模が大きく保険会社に近い運営をしている団体には、保険会社と同様の規制を導入。規模の小さな団体や企業の労働組合が主宰する共済は規制外、とする方向で検討が進められることになった。課題は性格分けが難しい中規模の団体の分類基準と規制内容だ。

 第二部会では、無認可共済に対する情報公開の徹底やマルチ的商法を規制する方策も検討する。一般消費者の利害に直結する問題なだけに、金融審、金融庁の手腕が問われることになりそうだ。 

(メモ)共済 会社内や地域のグループなど一定の枠内の人々がお互いにお金を出し合い、病気や死亡時の保障に充てる助け合い制度。免許を受けた保険会社による不特定多数を相手にした「保険」とは異なる。JA共済のように個別の法律に基づいて運営されている組織もあるが、大半は無認可。無認可共済の正確な団体数は不明で、運営実態が不透明なことも多く、破たん時の被害が懸念されている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20040924/mng_____kei_____000.shtml