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2004年09月24日(金) 00時00分

BSE確定 県「消費者は冷静に」BSE問題で実施された県食肉流通センターの消毒作業=22日、大和郡山市丹後庄町で朝日新聞・

新庄町関係者 風評被害警戒も

  新庄町の酪農家で飼育された乳牛が厚生労働省の専門家会議で牛海綿状脳症(BSE)と確定した23日、県はこの酪農家が飼育するすべての牛の移動制限措置を決めるなど、対応に追われた。同町関係者からは風評被害を心配する声が聞かれるが、県は「感染牛の肉などが市場に出回ることはないし、牛同士の感染例もないので、消費者は冷静に対応してほしい」と呼びかけている。

  同日午前11時20分、県食品・生活安全課の担当者に「午後1時に感染確定を発表する」との連絡が厚労省から入った。県幹部は「感染牛が最も多い96年生まれなので、覚悟はしていたが……」と厳しい表情。県は午後0時半、西尾哲夫副知事を本部長とするBSE対策本部会議を開き、感染牛が出た酪農家の飼育牛22頭の流通ルートや餌などを調査することを決めた。

  御所市の県家畜保健衛生所には現地対策本部を設置し、職員が酪農家の牛舎などを消毒した。今後、すべての飼育牛に歩行困難などの症状が出ないか観察し、症状がなければ移動制限措置は21日間以内に解除される。

  新庄町役場には同日、消費者から「健康に問題はないのか」という電話が相次いだ。岡本吉司助役は「『奈良のデンマーク』と呼ばれるぐらい酪農の盛んな町としてアピールしてきたのに……」と落胆した様子だった。

  町によると、町内では16戸の酪農家が計約1千頭の乳牛を飼育している。同町の酪農は大正時代に始まり、奈良市や大阪方面に販売所を設けるなど積極的に販路を拡大。51年に大手乳業会社に牛乳加工場と販売権を譲渡して以降は、飼育に専念してきた。

  同町山田にある「畜産ならショップ」。県畜産農協連合会が畜産製品のアンテナショップとして開設し、牛肉や牛乳などが並べられている。店員は「『BSEの牛が出たんですよね』と尋ねる客が多い。でも大半は質問しても気にせずに製品を購入していってくれる」とほっとした表情だ。

  県内では、149戸の農家が乳牛と肉牛計9500頭を飼育している。うち15戸は、県が昨年から県産黒毛和牛ブランドとして売り出す「大和牛(やまとうし)」の指定農家で、930頭を飼育する。西尾副知事は「元々は主に宮城、宮崎産の牛で、血統や餌も厳しく管理しており、問題はない」と話す。

  県は当分の間、畜産課にBSE相談窓口(0742・27・7450)を設置する。午前9時〜午後5時で、休日も対応する。
(9/24)

http://mytown.asahi.com/nara/news01.asp?kiji=3490