悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年09月20日(月) 00時00分

長寿者公表を取りやめ 悪用恐れ「希望せず」増加信濃毎日新聞

 敬老の日(二十日)を前に例年、県内の百歳以上の長寿者名簿を発表してきた県が今年、男女の最高齢者などを除いて公表を取りやめた。厚労省も本年度、全国の百歳以上の名簿作成を中止している。「おれおれ詐欺」など高齢者を狙う事件の増加で被害に遭うのを懸念、氏名や住所を公表しないよう求めるお年寄りが増えていることや、個人情報保護の意識の高まりなどが背景のようだ。

 県の場合、一九七二(昭和四十七)年から、敬老祝い金などを贈る目的で市町村へ依頼し、該当者の氏名や生年月日を台帳で調べてもらってきた。このうち公表に同意するお年寄りに限り、氏名と生年月日、居住する市町村を掲載した名簿を作って公表してきた。

 県内の百歳以上はこのところ四百人台で推移しているが、公表を希望しない高齢者は〇一年三十八人から〇三年五十三人へ増えた。厚労省老健局によると全国で名簿にまとめてきた二万人余の該当者のうち、氏名の公表を希望しない人は同じ期間で約七百人から約千八百人に増えた。

 県内で希望しない人は長野市に集中。市高齢者福祉課によると〇二年は三十人のうち九人、今年は四十二人のうち三十二人へ急増。理由について「おれおれ詐欺や訪問販売のトラブルなど、名簿の悪用を心配する人が増えているのではないか」(同課)とみている。

 県高齢福祉課は「お祝い事という慣例で公表してきたが、小さな町村では本人の特定が容易。名前を出すことを心配する声はある」とした上で「県個人情報保護条例に照らすと台帳を元に名簿作成することが目的外利用に触れる可能性もあるため中止した」と説明する。県情報公開課は「条例に抵触するとは言い切れないが、利用の制限が厳格化する来年四月の条例改正を前に再検討の必要がある」としている。

http://www.shinmai.co.jp/news/2004/09/20/010.htm