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2004年09月17日(金) 15時23分

マルチ商法組織吸収 宝石販売会社出資法違反産経新聞

新たに4人逮捕 売り上げ急拡大
 宝石販売会社「グランドキャピタル」(破産、東京都新宿区)による出資法違反事件で、同法違反容疑(預かり金の禁止)で逮捕された同社の実質的経営者の元会長、矢吹寿雄容疑者(四二)が、他のマルチ商法業者の会員を取り込むことにより急速に売り上げを拡大していたことが十七日、大阪・大分両府県警合同捜査本部の調べで分かった。他業者の名簿を入手して会員を勧誘するとともに、幹部を“ヘッドハンティング”して組織ごと吸収することも。捜査本部は既存業者を利用して、矢吹容疑者が手っ取り早く資金集めを図ったものとみている。
 捜査本部は同日午前、同法違反容疑で同社の元管理部長、小林哲也容疑者(三五)=東京都中野区=ら四人を新たに逮捕。小林容疑者など同社幹部六人の自宅を家宅捜索した。
 調べや関係者によると、同社は平成三年五月に設立。高配当をうたって出資を募り始めたのは十三年六月ごろで、十四年十月の破産宣告までの間に約三千人から約百億円を集めていた。この間、東北や北陸など各地で中小のマルチ商法組織に接触し、組織のトップにグランドキャピタルグループでの幹部待遇を約束するなどして、組織を吸収。休眠状態の組織からは会員リストを入手し、勧誘に利用していた。
 さらに、約四万八千人の会員から計約千五百億円を集めた「全国八葉物流」(沖縄県)が十四年一月に破綻(はたん)した際には、「特別キャンペーン」と称して被害者を勧誘。八葉グループの会員に対しては、通常より高い配当を約束して勧誘していた。
 矢吹容疑者自身、グランド社で事業を始める前に複数のマルチ商法組織にかかわり、その経験を生かしてグループを運営していたという。
 消費者問題に詳しい弁護士は「マルチ商法やねずみ講はトップが摘発されても、ノウハウを学習した残党により被害が再生産される。被害者側も一度『うまみ』を味わうと、それが忘れられず、再び被害に遭うことがある。今回の事件はこうした事例の典型ではないか」と指摘している。
(産経新聞) - 9月17日15時23分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040917-00000033-san-soci