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2004年09月16日(木) 13時15分

「おれおれ」に専従捜査員50人、警視庁が取締本部読売新聞

 東京都内で先月1か月間に報告されたおれおれ詐欺の被害は、半年前の4倍以上にあたる241件に上ったことが、警視庁のまとめで16日わかった。

 最近は、孫や子供だけでなく、複数の犯人が役割分担して警察官や保険会社社員を演じる“劇団型”の手口が横行。被害者の低年齢化、被害の高額化も進んでいる。事態を重視した警視庁は同日、約50人の専従捜査員による「おれおれ詐欺集中取締本部」を設置し、摘発強化に乗り出す。

 「ご主人の車が、赤信号で止まっていた車に追突し、(追突された車の)女性が病院に搬送された。ご主人はショックで、まともに話ができない」

 先月27日、埼玉県の主婦(36)の自宅に、〈警視庁の警察官〉を名乗る男から電話がかかってきた。興奮した様子で言葉にならない声を発する〈夫〉役に代わり、電話口に出た〈保険会社の社員〉から、「示談にすれば送検されない」と説明され、主婦は銀行に向かった。

 470万円を振り込む直前、不審に思った主婦が夫の携帯電話に連絡して詐欺だと気付き、間一髪で被害は免れた。「まさか自分がだまされるとは」。主婦の怒りは今もおさまらない。

 ◆劇団型が横行◆

 昨年春ごろから社会問題化したおれおれ詐欺は、その後一時、激減したが、今年6月ごろから再び増え始め、都内では先月1か月だけで241件、計約5億5100万円の被害が報告された。

 警視庁によると、都内で今年1—8月に発生した808件のうち、約4分の1の200件に警察官役が現れるなど、最近は、警察官、保険会社社員、弁護士、自動車修理業者、友人らが登場する“劇団型おれおれ詐欺”が横行している。

 また、従来は高齢者が被害に遭うケースが多かったが、今年に入って被害に遭った人のうち、70歳以上は20%しかなく、50歳代と60歳代が70%を占めていた。被害の平均額も昨年の82万円から今年は183万円と倍増していた。

 ◆だましのテクニック進化◆

 おれおれ詐欺には、プリペイド式携帯電話や、インターネットなどで密売されている不正口座が使われるため、「犯人検挙は難しい」(捜査幹部)のが実情。

 今月に入り、暴力団関係者が犯行の手口を伝授していた、通称「おれおれ中野学校」の存在が発覚した。犯行グループ側は日々、だましのテクニックに磨きをかけており、組織化も進んでいる。

 「単身赴任しているご主人が……」「大学に通われている息子さんが……」と、家族の状況を把握したうえで電話してくるケースも増えており、「個人情報の流出も被害拡大の背景にある」(同)という。
(読売新聞) - 9月16日13時15分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040916-00000105-yom-soci