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2004年09月11日(土) 00時54分

多層的にスパムに対抗、シマンテックITmediaエンタープライズ

 米Symentecのネットワーク&ゲートウェイセキュリティソリューション担当上級副社長のエンリケ・セーラム氏が来日。迷惑メール(スパム)の現状と同社の取り組みを説明した。同氏は、Symantecが5月に買収したスパム対策ベンダーBrightmailの社長兼CEOを勤めていた。

 同氏によれば、現在インターネットを流通するメールの65%がスパムという。2001年が8%程度だったというから、3年間でスパムの割合は急増している。同時に悪質さも増しており、最近は迷惑というよりも詐欺メールが横行しはじめている。

 企業から見れば、フィッシングなどの詐欺メールの対象となれば企業ブランドを傷つけることとなり、社内のネットワークやサーバの負荷以上に、脅威は深刻になってくる。米国では、このフィッシングなどによる電子メール詐欺が深刻化しており、セーラム氏が示した数字では、米国全人口の3%に当たる数の人が、何からの電子メール詐欺を連邦取引委員会(FTC)に報告しているようだ。

 なぜ、スパムは増えるのか? エンリケ氏は、配信が簡単なことと、スパムは利益が大きいこと、そして法律が抑止力にならないことの3点を挙げる。1億件のメールアドレスが100ドル以下で流通し、1日2億通ものスパムを送信できるため、返信率は0.001%で十分な利益が得られているという。国際的な法規制もスパム業者のほとんどが裁判権の届かない外国にいるため、実際的な効力が出ていないのが現状だ。

 このようなスパムの問題に対し、シマンテックでは15の技術による多層の防御で対抗するという。こうすることで、スパム業者は各層に対応しなければならなく、対応が難しくなる。

 今回、同氏が取り立てて紹介したのは、7月に買収したTurnTideの技術。ネットワークで防ぐことで、企業のメールサーバまでやってくる相当数のスパムを撃墜できる仕組み。これを導入したある企業では、1週間に200万件以上だったスパムの数が95万件まで減らせたという実績があるという。

 セーラム氏は「TurnTideの技術でスパムをカットしてしまえば、スパム業者の経済的メリットがなくなってくる」と話す。

 SenderIDやドメインキーなどといった認証技術も一つのステップとして対応していく。しかし、常に進化するスパムに対抗していくためには常なる研究が大切、とシマンテックのスパム研究体制もアピールした。同社は200万以上のおとりアカウントで、日々数千万件のスパムを処理しているという。

 現在は、4カ国に拠点を持つが、日本にも設置する予定だ。

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/
(ITmediaエンタープライズ) - 9月11日0時54分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040911-00000001-zdn_ep-sci