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2004年09月03日(金) 00時00分

「雇用は有効、窃盗なし」地裁支部判決朝日新聞・

 最上郡男性と父親 賠償請求訴訟

  給与など全額支払い命令


  9年間の賃金の不払い分の支払い、現金を盗んだとされて払わされた弁償金の返還を求めて、知的障害のある最上郡内の20歳代の男性と父親が新庄市内のホテル・旅館経営会社に総額1054万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、山形地裁新庄支部であった。小林直樹裁判官は「雇用契約は有効で、明確な窃盗の証拠もなく弁償金の受領は不法」とし、会社側に全額の支払い・返還を命じた。

  判決などによると、男性は93年から02年3月末まで、同社が経営する秋田県内のドライブイン旅館で住み込みで働いていた。

  給与は手取りで月約9万円の契約で、男性は月1万円を受け取り、残りは退職時に受け取る約束だったという。

  しかし、会社側は、勤務態度に問題があったとして94年10月に男性を解雇したと主張。男性はその後も旅館で働き、月1万円を受け取っていたが、会社側は「社会性を身につけさせるために預かっていた。1万円は小遣いで、会社側のサービス」などとし、雇用関係はないとしていた。

  これについて判決は、解雇の事実は認められず、就職以来の雇用契約は有効とし、「厳しい指導で、就職後1、2年で持続性を持てるようになり、一人前とまでは言えなくとも、それなりの労働も出来た」と認定、男性に怠業があったという会社側の主張も退けた。

  また、返還を求めていた弁償金213万円は、99年に「息子さんが5年間にわたりレジや自動販売機、宿泊客から現金を盗んだ」とする同社経営者の要求で、男性の父親が支払ったもの。

  判決は「以前からたまにレジの計算が合わない場合はあったが、従業員が金を出し合って弁償していた。しかし、(多額の不明金に)このような対応をした形跡もなく、極めて不自然」などとし、盗みの存在自体を否定した。(9/3)

http://mytown.asahi.com/yamagata/news02.asp?kiji=5706